窓の向こう側には深淵が広がっていた。
    それを覗いた時、確かにこの世は一瞬静止した。


    まあ、お前何カッコつけて文学賞を狙ってますみたいな書き方してんだよハゲって話なんですけど、いやもうね本当にビックリなんですよ。
    どれくらいビックリかというと、インド人もビックリして失神しちゃうくらいのレベル。

    この「インド人もビックリ」というフレーズはカレーのCMが由来らしいです。
    いや、そんな事はどーでもいいんですよ。
    インド人もカレーも、今回の話には全く関係ないですしナマステ~。


    自分の住んでいるマンションって、建物が密集している場所に建っているから裏のマンションと目と鼻の先という距離なんですよ。
    で、自分は角部屋なので北側に小窓があるんですけど、その小窓から外を見ると裏のマンションのバルコニーとリビングが丸見えという状況なんです。

    そして、先日の事なんですけど、その日もロクに仕事をせずに1日が終わって眠りにつこうとしていましてね。

    そしたら、外から「あ・・・!・・・ヴァ!う・・・!」とか、声が聞こえてくるんですよ。
    これが結構デカイ声で、話し声とも違うものでして。

    何だか分からないけど、そのうち静かになるだろうと思ってそのまま眠ろうとしたんですけど、これが全く収まらない。
    むしろ次第に強くなっていっている気がするんです。

    「ああ・・・!!・・・ヴァー!!ぐっ・・・!!」

    これ、誰かがうめき声を上げているのではないだろうか。
    もしかしたら何かの事件かもしれません。
    だとしたら傷害事件という事も考えられる。

    こんな状況じゃ、おちおち眠りになんてつけやしない。
    時刻は深夜の2時です。
    一体何が起こっているというんだ!
    事件なのか!!?

    そう思ったので、窓を開けて外を確認してみたんです。
    そしたらもうね、目を疑いましたよ。

    オーーマイゴーーーッド!!!

    裏のマンションの住人がリビングでおもいっきしセクロスしとるんですよ!
    もう窓全開で立ちバックしとりましたからね!
    さっき事件かもしれないって思ったけど、これはもうある意味大事件ですよ!
    信じられない光景だわ!

    あのですね、これだけはハッキリ言っておきますけど、自分もセクロスとかこういった下劣な事は書きたくないんです。
    それにこういう事をネタにするとコメント欄に、「管理人さん、失望しました」とか「死んで下さい」とか「帰れハゲ」と、誹謗中傷を書き込まれてしまうと思うんです。
    挙句の果てに、「だからお前は上司の送別会に呼ばれないんだよ。」と、わりと本気で気にしている事まで書き込まれてしまうかもしれないんです。

    ていうか、何で送別会の事知ってんだよ!
    送別会の事だけは言うんじゃねぇー!
    皆で感謝の気持ちを込めて色紙にお別れのメッセージを書いてプレゼントしよう!ってなって、その色紙が管理人さんのところにだけ回ってこなかったとか絶対に言うんじゃねぇーー!!

    って、全部自分でバラしてるじゃねぇーーか!!

    まあとにかくですね、あまり下劣な事は書きたくはないんですけど、ブログというのは日々の出来事を書くためのツールじゃないですか。
    だからこのまま書き続けますよ。

    で、話を戻すと、窓を開けたら裏のマンションの住人がおもいっきしセクロスしていて、それをダイレクトに目撃してしまったんです。

    もう女性の方と3秒くらい目が合いましたからね。
    なんかこの世の全てが止まったような気がした。

    直後、カーテンを「シャッ!」て勢いよく閉められました。

    でね、本題はここからなんですよ。
    カーテンを閉めるのなら窓も同時に閉めてくれよって話なんです。

    というのも、その後もセクロスが続くものだから「イヤ~ン、ア~ン、ダメ~ン。」とか声が漏れてきてすげぇーうるさいんです。
    しかも、それが1日では飽きたらず、週3くらいのペースで行われとるんです。
    もううるさくて眠れやしない。

    いやね、別にセクロスするのが悪いとは言っていないんです。
    むしろ少子化に歯止めをかけるためにどんどんやってほしいとすら自分は思っていますから。

    真面目な話、少子化って深刻な問題なんです。
    出生率が低いという事は、数十年後の労働力も低くなるという事ですからね。

    対策案はいくつかあるけど、外国人労働者を増やすというのは根本的な解決には繋がらないし、何よりリスクが山積しているというのが事実。
    ロボットによる生産の自動化にしたって、全ての業種をカバー出来るわけではないのでオートメーションには限界があるんです。

    近い将来、働く人間が減少して労働力が低下すれば、必然的に経済にはマイナスの影響が出てくる。

    そして、経済が低迷するという事はですね、そのまま国力も低下してしまうという事なんですよ。
    そうなれば外交で優位に立てず不利な条件を強いられてしまう事だってあるはずです。

    一つ例を挙げるとすれば、成功した中国と失敗したロシア。
    経済力が国力に直結するというのは、誰がどう反論しようが歴史がそれを証明しているんです。

    そもそも、かつての日本もそうでした。
    アジア極東の島国が高度経済成長によってGDP世界2位にまで登りつめて国際的な地位を築き、豊かな生活を手に入れたんです。
    高度経済成長は、戦後の混乱期に行われた財閥の解体や公職追放による世代交代で官民の中枢が若返り、それが布石となった事も要因の一つであると考えられます。

    やはり、労働力というのは国力の源になっているので、少子化で新世代の労働力が低下してしまうというのは、長期的な視野で考えると自分たちの生活に関わるとても深刻な問題なんです。
    決して他人事ではありません。

    えっ!!?
    お前、セクロスの話からこんな真面目な事を語っちゃうの!!?
    さっきまで立ちバックとか最低な事を書いてたのに!!?
    こいつホント死ねばいいのに!!

    バカかお前は!!このハゲーーー!!!

    うるせぇー!!まだハゲてねぇーよ!!!

    とにかくですね、窓を閉めて声が漏れないようにしてくれるのであればいくらでも自由にセクロスしてほしい。
    もう立ちバックだろうと何だろうと、ボリショイサーカスの空中ブランコみたいなアクロバティックな体勢だろうと、どんな体位でやっても全く構いませんよ。
    もう毎日でもやってほしい。
    そして、野球チームが作れるくらい子宝に恵まれてほしい。
    阿部みたいにホームランも量産出来る攻守に優れたキャッチャーを生んでほしい。

    しかしですね、ここは野球場じゃないんだから大きな声が漏れて迷惑にならぬ様、せめて窓は閉めてくれと。

    1日くらいなら我慢出来るけど、頻繁にされるのは困るんです。
    もう毎日のように「イヤ~ン、ア~ン、ダメ~ン。」ですからね。
    こっちの窓を閉めても人の声って結構入ってくるんです。
    これじゃうるさくて眠れやしない。
    「イヤ~ン」なのはこっちの方だよ!

    隣のマンションだったら大家さんと知り合いだから注意するよう促す事が出来るんですけど、裏のマンションはおそらく大家が住んでいたり管理者が常駐している物件ではないと思うんですよね。

    という事で、何とか直接注意をしたいんですけど、状況が状況だけにどうやって注意すれば良いのか分からんのです。

    そもそも、自分は職場の休憩所で知り合った藤ヶ谷君と雑談をしている時に、「管理人さん、○○部の日原さんってヅラって噂があるんですけど本当ですか?」と言われて、「それは俺の上司だよ!!」とたった一言の注意すらも出来ない人間ですから、「イヤ~ン、ア~ン、ダメ~ン。」とか言ってセクロスしている男女にいきなり「うるさいんで窓を閉めて下さい。」と注意するというのは、いくら何でもハードルが高過ぎるんです。
    もうハードルがエベレストの山頂に設置されてるようなものですよ!
    こんな高ぇーの飛べるわけねーじゃねぇーか!

    で、ちょっと思ったんです。
    仮にですけど、ハードルを飛び越えて注意したとしましょうよ。
    しかし、声を出したところで相手はこちらに気が付くのか?と。
    もし気が付いたとして、素直に窓を閉めてくれるのか?と。
    この点が疑問になってくるわけです。

    何でもそうですけど、迷惑行為をする人間って周囲がいくら注意をしても殆どの場合やめないじゃないですか。
    それどころか、ムキになって益々エスカレートしまう事もあるじゃないですか。

    中学生の時、不良グループの間でゲームボーイが流行った事がありましてね。
    その不良グループに小柳君というのがいて、彼は授業中にいつもゲームボーイをしていたんです。
    先生がいくら注意しても全く改心せず、日に日にエスカレートしていきました。

    で、自分はそんなに面白いソフトがあるのか!?と気になったので、ゲームボーイを見せてもらって差さっているソフトを確認したんです。
    そしたらもうね、目を疑いましたよ。

    「ヨッシーのたまご」とか書いてあるんですよ。

    おもいっきりクソゲーじゃねぇーか!!
    しかもコレ自分たちの世代よりかなり昔のやつですからね!
    お前コレ兄貴のお下がりだろ!
    バカか!!よくこんなクソみたいなゲームを何時間もやってられるよな!!

    つまりですね、小柳君はゲームをやりたかったのではなくて、先生に従うのが嫌でムキになって反抗していただけなんです。

    なので、そう考えるとセクロスしてる住人に注意をしたところで、問題が解決するとは限らないんです。

    そこで、一つ思い付いたんですけど、「北風と太陽」ってあるじゃないですか。
    北風と太陽が力比べをして旅人の上着を脱がそうとするやつ。

    これに倣って考えてみると、いくらこちらが「窓を閉めてくれ」と強引に頼んだところで、閉めてはくれないんです。
    相手が自らの意思で進んで窓を閉めるようにしなくてはなりません。
    つまりですね、相手が窓を閉めたくなるような状況を作ってやれば良いのです。

    そして、自分はある結論に達しました。

    「こちらからも迷惑な音を出せば相手は窓を閉めるはずだ。」

    もうこれしかない。
    そうと決まれば早速行動開始です。
    ガツンとかましてやりましょう!

    で、騒音はどうしようかって事になるんですけど、騒音と言ったら真っ先にこのお方が思い浮かびました。





    猛烈なキャラクターで一世を風靡し、今やレジェンドともなっている「騒音おばさん」です。

    この騒音おばさんは毎朝大音量でラジカセを鳴らしながらハイテンションで布団を叩きまくり、「引っ越ーしー!!引っ越ーしー!!さっさと引っ越ーしー!!!シバくぞ!!!」という怒号をまき散らしました。
    周辺の住民は耐えられなくなって引っ越してしまったそうです。


    で、自分は音楽を聴くためにデスクトップにオーディオを組んでいるので、パソコンにプリメインアンプとスピーカーを繋いでいましてね。
    You Tubeにアップされている騒音おばさんの「引っ越ーしー!!引っ越ーしー!!さっさと引っ越ーしー!!!シバくぞ!!!」を大音量で流す事が出来るんです。

    言わば、自分は騒音おばさんという最強の召喚獣をいつでも呼び出せるようなものなのです。
    いやまあ、引っ越しというか窓を閉めてくれるだけで良いんですけどね。

    早速ボリュームを上げて窓を全開にしてスタンバイ。

    セクロスしている住人に騒音おばさんのエキセントリックな怒号をかましてやりましょう!

    そして、再生です!

    さあ、くらえ!

    「引っ越ーしー!!引っ越ーしー!!さっさと引っ越ーしー!!!シバくぞ!!!」

    騒音おばさんの無慈悲な怒号がこだまする。
    すげぇー破壊力だ!

    「引っ越ーしー!!引っ越ーしー!!さっさと引っ越ーしー!!!シバくぞ!!!」

    もうこっちの頭がおかしくなりそうです!

    「引っ越ーしー!!引っ越ーしー!!さっさと引っ越ーしー!!!シバくぞ!!!」


    こんな戦いが連日繰り広げられ、裏のマンションはようやく静かになりました。

    いやー良かった良かった。
    意外と長い戦いでしたが、これで万事解決です。
    安眠を勝ち取りました。
    管理人さんの大勝利。

    それ以降、自分はゆっくりと眠りにつけるようになりました。


    それから数日後。

    その日は休日だったので、ロッテ対オリックスなんていうどうでもいい野球中継を見ながら時間を無駄に消費していたんです。

    そしたら、「ピンポーン」とチャイムが鳴りましてね。
    なんじゃらほいと思ってドアを開けたら、オリックスのT-岡田みたいな、長距離砲みたいな体格をした強面の男が仁王立ちしとるんですよ。

    話を聞いてみると、裏のマンションの管理会社の人みたいでしてね。
    最近、悪質な騒音による苦情が複数寄せられているらしい。

    あっ!ヤベェー。
    深夜に騒音おばさんの「さっさと引っ越ーしー!!!シバくぞ!!!」を流したからだ・・・。
    チョ、チョバキュー!
    ※超万事休すの略

    違うんですよ!
    いや、それは事実なんですけど違うんですよ!
    自分も気が動転してしまい、弁解したつもりが「深夜に立ちバックで」とか「北風と太陽で窓を閉めようとした」とか要領を得ない意味不明な事を言っていました。

    で、弁解も空しく、夜間は周辺住民へ迷惑にならぬよう十分に配慮しろとこっ酷く叱られました。

    なんか最初は平静に注意されたけど、だんだんヒートアップして最後の方はそれこそ騒音おばさんみたいにハイテンションになってた。

    そして、「次第によっては警察に相談させて頂きます!」という警告までされてしまい、すっかり怯んでしまった自分は「イヤ~ン、ア~ン、ダメ~ン。」と必死に許しを請うのでした。 

    こりゃあ、さっさと引っ越さないとシバかれるかもしれないな。


    やっぱりね、物事には温度差というのがあると思うんです。

    先月の事なんですけど、その日もいつも通り鼻くそをハリル・ホジッチしながら仕事をしていたんです。
    で、お昼になったのでホジッチしたやつを机の下にくっつけながら、今日は回転寿司にでも行っちゃおうかな!と意気込んでいたらですね、ある事件が起こりまして。
    というより、ある事件の一報が入って来たんです。

    自分の職場には、「管理人さん、動物園みたいな臭いがするんで近寄らないで下さい。」という主旨の言葉をストレートに投げかけてくる梶原さんというブスがいるんですけど、その梶原さんが急に卓球の張本選手がスマッシュをきめた時みたいな「ヂョレーーーイ!!!」という雄叫びを発したんです。

    いやもうね、突然の事に皆ビックリですよ。
    いい歳こいたブスがいきなりドデカイ声でヂョレーーーイ!!!ですからね。
    ヂョレーーーイ!!!ですよ、ヂョレーーーイ!!!
    もう大麻でもやってんじゃねぇーかってレベルですよ。
    頭の中でピンポン玉がグルグル回っていて、それこそ頭がピンポンしちゃってるんじゃないかって思いましたから。
    しかし、どうやらそうではないらしいんです。

    「田中聖が逮捕されたって!!!」

    興奮したブスの一言がこだまする。
    大麻をやっていたのは梶原さんではなく田中聖だった。

    いやね、先月に元ジャニーズの田中聖が大麻取締法違反の現行犯で逮捕されたじゃないですか。
    その第一報がネットのニュースに出回り始めたのが丁度お昼くらいの時間だったんです。

    で、お昼休みが始まって田中聖の逮捕を知った梶原さんが驚いて「ヂョレーーーイ!!!」という雄叫びを上げてしまったというわけなんです。
    逮捕された事よりもあんたの雄叫びのが驚きだよ!

    もうそこから梶原さんのリミットブレイクとも言える快進撃が始まりましてね。
    ほら何というか、ブスって人一倍芸能ニュースに敏感で、その中でも特に不倫、結婚、逮捕というのはの三種の神器みたいになっとるじゃないですか。

    なので、周囲にいる同僚たちに片っ端から「田中聖が逮捕されたって!!」とか「大変大変!KAT-TUNの田中聖が大麻だって!!」とか「んもぉ~超ショックぅ~ブヒーー!!」とか言い回っとるわけですよブヒーー。

    まあ周りの人間はあまり興味無さげなんですけどね。
    で、この時に自分は思ったんです。

    やっぱり温度差ってあるんだなぁーと。

    その人にとっては大事件や大ニュースでも、他の人からしてみれば何でもない事ってあるじゃないですか。

    例えば、航空宇宙局のNASAってよく「明日、重大発表を行います」という事前告知をメディアにするんです。
    自分はそのニュースを見る度に、「やった!ついに宇宙人を発見したのか!!」と、期待に胸を躍らせるんですけど、でも実際は何百光年先の惑星に水が存在する可能性があるとかいう何かいまいちピンと来ないもので、驚くどころか微妙な顔になるわけです。
    どれくらい微妙な顔かというと、大して仲の良くない子のお誕生日パーティーに呼ばれちゃった時くらいの微妙な顔だと思う。

    百歩譲って、水の存在を確認!とかいうのならまだ分かるんですけど、水があるかもしれないという不確かなものですからね。

    そりゃあ、NASAの宇宙科学や天文学なんかの有能な学者さんたちにとっては、何百光年先の惑星に水があるかもしれないという手掛かりを得ただけでも大発見かもしれないですけど、偏差値の低い学校に通って「ブスからはミノブスキー粒子という負の粒子が放出されている」という低俗な仮説を提唱している自分にとっては何が凄いのかがいまいち伝わってこないんです。
    もうこっちからしたら、全身銀色で目がクリっとした頭でっかちの奴が「ワレワレハ、ウチュージンダ。」と言って宇宙船から出てくるくらいのレベルじゃないと驚かないんですよ。

    やっぱりね、人には温度差っていうのがあるんです。

    田中聖が逮捕されて興奮している梶原さんに少し困っている同僚たち。
    自分も元々興味がない人だったので逮捕と言われても驚きませんでした。
    そんな事よりも、こっちはもうお腹がペコちゃんなんですよ。
    誰が逮捕されようがそんなのどうでもいい。
    今日は回転寿司なんだ。

    田中聖が大麻でラリッて「ワレワレハ、ウチュージンダ。」とか言い出したら呼んでくれ。

    という事で、ダッシュで回転寿司へ向かいました。
    もうね、ワクワクし過ぎてスキップなんてしちゃいましたからね。
    いい大人がスキップですよ。
    傍から見たらこいつ大麻でもやってんじゃねぇーかってレベルになってたと思う。

    で、お店に着いて間髪入れずにタッチパネルでお寿司を注文をしたんです。
    最近の回転寿司は注文したお寿司が専用のレーンで運ばれてくるお店が殆どなんですけど、自分が行ったお店はお皿が「注文品」と書かれた台座の上に乗ってそのまま通常のレーンを流れてくるというものでした。

    少しすると、早速注文したマグロが流れてきました。
    やっぱりマグロはお寿司の王道ですよね。
    これを無しには何も始まりません!

    キラキラと輝く赤身のマグロが流れてきたのでキャッチしようと手を伸ばして待ち構えていたんですけど、そしたらもうビックリですよ。
    隣から違う手が伸びてきて、管理人さんのマグロを「シュパ!」って擬音が出るくらいの勢いで横取りするじゃありませんか。

    おいおいおい!
    爺さん、それあんたのじゃねぇーよ!

    まあ間違って取ってしまったのでしょう。
    これは仕方ありません。
    気を取り直して次のお皿が流れてくるのを待ちましょう。

    少しすると次の注文品が流れてきました。

    よし来た!
    サーモンだ!!

    サーモンって脂がのっていて美味しいですよね。
    子供から大人まで誰からも愛される存在。
    それがサーモンです。

    やっとお寿司を食べられる!
    さあ、早くこっちに来い!
    もうワクワクしてフライング気味に手を伸ばして待ち構えていましたからね。

    そして、サーモンをキャッチしようとしたらですね、また横から違う手が伸びてきて、


    シュパ!!


    って、やっぱりあんたが取るんかーい!!!
    どうやら、このお爺さん、ここの回転寿司のシステムを分かっていないようで注文品も見境なく取ってるんですよ。

    チクショー!!
    全部スティールされてるじゃねぇーか!!
    あんたバスケやったらポイントガードのポジションで大活躍だよ!!

    これじゃ、こっちまで流れて来ねーじゃねぇーか!
    どうやったら食べられるんだよ!
    お昼時で混雑しているから注文品以外のお皿なんて殆ど回ってないし。
    もうお腹空いて死にそうなんですけど!

    そうだ、同じやつをもう一度注文すればいいんだ!
    自分もそうですけど、回転寿司って同じネタを連続で取る人ってあまりいないですよね。
    流石管理人さん、頭脳プレーです!!
    もう天才ですね!
    しかも、同じネタを2皿連続で注文するという念の入れよう。
    さっきのも入れたら3皿連続ですから、流石に同じの3皿はないでしょう。
    管理人さん大勝利!

    で、早速注文したサーモンが流れてきたんですけど、そしたら、


    シュパ!!

    シュパ!!


    って!!やっぱりかーーーーい!!
    あんた同じの3皿もいらないだろ!!
    もうハリソン・フォードの「ブレードランナー」に出てきた屋台のオヤジみたいに、「二つで十分ですよ!」って突っ込みそうになりましたからね。
    あの有名なセリフって今でも謎とされているけど、結局何だったんだろう。

    そんな事よりも、どうやったら食べられるんだよ!
    まだ一皿も口にしてねぇーよ!
    回転寿司ってこんなにハードルの高いお店だったっけ!?
    管理人さん何でこんなに必死になってんの!?

    こうなったら最終手段です。
    もうタッチパネルを連打しまくって嵐の如くサーモンを注文しましたからね。

    そしたら、サーモンが大量に流れてきて、産卵するために群れで川を遡上してるような光景になってた。

    おまけにお爺さんは総スルー。
    で、全部キャッチ出来ずにいたら、お爺さんと反対側の隣の人に「二つで十分ですよ!」みたいな目で見られるのでした。


    結局、この後もお爺さんはNBAの選手でも目指しているんじゃないかって勢いで注文品をスティールしていたものだから、このお店のシステムを教えてあげました。
    そしたら、このお爺さんってばとても紳士的な人で、帰り際にお辞儀をしてとても丁寧にお礼を言ってくるんです。
    もうウチュージンに誘拐された孫娘を管理人さんが救出したくらいのお礼の仕方だった。
    そこまでする程の事ではないのにな。

    これも物事に対する温度差というやつなのでしょうか。

    自分は立場が上でも下でも、礼節なんて社会的に最低限の程度です。
    言葉遣いは失礼のないように心掛けていますが、他はあまり意識しません。
    なので、このお爺さんの懇切丁寧なお礼に対し、どう返せば良いのか少し困ってしまいました。

    温度差って単純に趣味や嗜好だけではなく、年齢や性別によっても大きく変わってくるのかもしれません。
    年配の人からは最近の人間は無礼な者が多いとか言われたりしているけれど、これも礼儀作法に対する温度差によるものなのだと思います。

    さらに視野を広げて考えてみると、これに国籍や人種、宗教なんかも絡んでくると、また複雑になって考え方が変わってくるのでしょうね。
    実際、外交問題にも温度差があって歴史認識でそれこそ沸点がおかしな国とかもありますからね。

    田中聖が逮捕されて「ヂョレーーーイ!!!」と興奮する梶原さんに困っている同僚たち、回転寿司で懇切丁寧なお爺さんに戸惑ってしまう管理人さん、何にしても物事に対する温度差が少なくなれば、今よりかはちょっとくらいは円滑な世の中になるのかもしれません。

    何だか、お寿司を食べに来ただけなのに色々と考えさせられてしまったなぁと思いながら、職場へ戻るのでした。



    で、お寿司をなかなかゲット出来なかったものだから、少し遅刻しちゃいましてね。
    人事を担当するわりと偉い上司に呼び出されてマンツーマンでこっ酷く叱られました。
    おまけに、次また遅刻したらクビにするぞという死の宣告。
    こりゃ洒落にならん。

    そして帰り際、おもいっきり愚痴ってやろうと思って後輩の小林君を捕まえましてね。


    「大変な事になった!!ちょっと聞いてくれよ!!」

    「えっ、何すか?」

    「さっきクビにするぞって言われちゃってさ!!酷いよね!?マジ最悪なんだけど!!」

    「・・・はあ、そうなんすか。お疲れっした。」


    って!興味ねぇーのかよ!!
    お前、管理人さんがピンチだっていうのにそれは無いんじゃないの!!
    窮地に立たされているんだからちょっとくらい心配してくれたっていいじゃねぇーか!!
    何でそんなに冷めてるんだよ!!
    もっと親身になれよバカ!!

    やっぱり物事には温度差ってあるんだなぁと痛感しつつ、冷酷で薄情な小林君に怒りが込み上げてきて「ヂョレーーーイ!!!」と雄叫びを上げるのでした。


    本当に大切なものというのは本人が気が付いていないだけで常に我々の目の前に存在している。

    しかし、考えてみてほしい。

    それを失ってしまった時の事を。

    水が無くなってしまったら、秩序が無くなってしまったら、愛が無くなってしまったら・・・

    あたなはその時に初めて事の重大さに気付き、そして絶望するだろう。

    自分もまた。



    いやね、なんか冒頭から哲学みたいな入り方をしてしまったんですけど、早い話がパンツが無いんですよパンツが。
    1枚無くなっちゃったんですよ。

    深夜にランニングをしたんですけどね、お風呂入ってパジャマ着ようとしたらパンツが無いんですわ。
    自分は6枚のパンツをローテーションで穿いていて、まあこれはプロ野球の先発ローテーションの人数と同じなんですけど、1枚足りなくなっちゃっているわけですから阪神みたいにインフルエンザに掛かった藤浪が登板を回避しちゃってるような状況なんですよ。

    何回確認しても1枚足りない。

    ハンガーにぶら下がっているのが4枚、お風呂に入る前に脱いでカゴに入っているのが1枚。
    4+1=5だ。
    6にはならない。
    こんな計算は小学生でも分かる。
    いや、小学生じゃなくてもパンツが1枚足りない事くらい簡単に分かる。
    だって鏡にはポコチン丸出しの哀れなブサイクが映っているのだから。

    で、管理人さんってばお風呂上りにシャツだけ着てポコチン丸出しという、とてもじゃないけど真っ当な大人とは思えぬ姿で家中探してみたんですけど、やっぱり見つからないんですよね。

    突如として一切の痕跡を残さずに消えたパンツ。
    これはもうね、現代の科学では到底説明が出来ませんよ。

    もしかしたら、自分の家には「妖怪パンツ隠し」みたいな妖怪が住んでいて、その妖怪が遊んでほしくてイタズラしているのかもしれない。

    えっ?
    妖怪パンツ隠し?
    何それ?

    そんなのいるわけねーじゃねぇーか!
    バカかお前!ホント死ねばいいのに!

    まあ、「妖怪パンツ隠し」でも「パンツ隠しのアリエッティ」でも何でもいいですけど、とにかく穿くパンツがないから困っちゃいましてね。
    ハンガーにぶら下がってるのは半乾きだし、さっき脱いだやつはランニングして汗ビチョだし。
    乾燥機は深夜だから回すのに抵抗があるし、どうしよう。

    しかし、そんな時です。
    ポコチン丸出しで八方ふさがりの自分に、ある名言が降りてきたのです。


    パンツが無ければノーパンでいればいいじゃない / マリー・アントワネット


    まあ、実際のところ、あの有名な台詞ってマリー・アントワネット本人が言ったものかどうか定かではないらしいんですけど、この絶望的な状況を打破出来るのであれば誰の台詞だろうがそんな事はどうでもよいのです。

    という事でですね、管理人さん、ノーパンで過ごす事に決めました。
    大人なのに。

    早速、パジャマのジャージに足を通す。
    この時期はまだ多少肌寒いので、股間のあたりがヒンヤリする。

    しかし、これがなかなか悪くないんですよね。
    最初は少し違和感があったんですけど、直ぐに慣れてくるんです。
    それどころか、むしろ清々しくもある。
    背負っていた重圧から解放されたというか何というか、例えるなら、期末試験最終日で最後の試験のチャイムが鳴った時のようなそんな気持ちになった。
    よっしゃ!夜更かししてマリオカートをやりまくるぞ!と決意したあの日の帰りの会。

    そんな事を思い出しながらノーパンで眠りにつきました。

    翌朝はいつもより身体の調子が良く感じました。
    何だか深い眠りにつけたような気がする。
    ライフゲージがMAXまで回復したような、それくらい絶好調な目覚めでした。

    そういえば、ノーパン健康法というのがあったような気がします。
    うろ覚えだけど、パンツを穿かない事でリラックス効果を高めるというのを聞いた事があります。

    言われてみれば確かにそうだ!
    昨晩14kmランニングしたのに疲労がまるで感じられない!
    こんな簡単な事でここまで調子が良くなってしまうとは!
    スゴイぞ!ノーパン健康法!
    もうノーベル賞ものですよ!!

    そこで思ったんです。

    一晩でこの効果なのだから、1日中ノーパンで過ごせばさらなる効果を望めるのではないだろうか。
    これならアスリートに匹敵する無敵の肉体を手に入れられるかもしれない。

    よし!
    今日はパンツなんて穿かないぞ!
    1日ノーパンで過ごす!
    誰が何と言おうとノーパンだ!

    もう国会前で「脱パンツ」と書いたプラカードを掲げてデモ行進してしまうくらいの勢いでした。
    「脱」と「脱ぐ」が掛かっているという、そんな上手い事もスラスラ出てきてしまう。
    ノーパンには頭の回転を向上させる効果もあるようです。

    すげぇーな!ノーパン健康法!
    無敵じゃねぇーか!

    という事で、休日だったその日は1日ノーパンで過ごす事に決めました。

    テレビを見る時もノーパン。
    ネットをやる時もノーパン。
    片付けなきゃいけない仕事でエクセル打っている時もノーパン。
    ご飯食べてる時もノーパン。

    いつもと同じ日常だけど、とても新鮮に感じられました。

    で、夕方はスーパーに買い物に行きましてね。
    勿論、ノーパンでですよ。
    1日ノーパンと決意したわけですから、そりゃ外出の時もノーパンというのは当然です。
    もうパンツを穿くくらいなら切腹も辞さない構えです。

    ただ、一つ注意しなきゃいけない事があるんですよね。
    自分はよくズボンのチャックが開いている事があるんですけど、ノーパンでこれをやっちゃうと即逮捕になっちゃうんですよね。
    だって過失とはいえポコチン出して歩いていたら誰がどう見ても1000000000000%変質者じゃないですか。

    もう問答無用で現行犯逮捕ですよ!
    公然わいせつ罪なんかで逮捕されたら人生終了だよ!
    こんなのいくら弁明したって、夕方のニュースで「カブトゴリ容疑者は妖怪パンツ隠しにパンツを隠されたなどという意味不明な供述をしているため、警察は薬物の疑いも視野に捜査を継続する方針です。」とかなるに決まってんだろ!

    そんな管理人さんが逮捕された将来を考えながら歩いていたらスーパーへ到着しました。
    今日は肉ジャガを作ろう!
    ノーパンで肉ジャガ、ノーパン肉ジャガです。
    ノーパンしゃぶしゃぶみたいに言うんじゃねぇーよ!

    早速、ショッピングカートを押して見慣れた店内を滑走する。
    ノーパン効果のおかげか、カートを押すのも軽快だ!

    まあ、いい年こいた独身男性がノーパンで肉ジャガの食材をカゴに入れていくというのは何ともシュールな光景なんですけど、とにかく気分は上々でした。
    それはもう、ミュージカルで突然踊りながら歌い出すお姫様みたいに軽快なステップで店内を回った。

    しかしですね、お肉コーナーの辺りで異変を感じましてね。


    「ケツが痛ぇー。」


    いやね、何かお尻の谷間の部分がすげぇーチクチクするんですよ。
    虫に刺された痛みというか、かぶれた痛みというか、もしくは妖怪パンツ隠しが爪楊枝でつついてイタズラしている痛みというか、とにかく急にチクチクしだしたんです。

    痛さの中に痒さもある。
    ズボンの中に手を突っ込んで掻きまくりたいけど、マダム達で賑わう休日のスーパーでお尻をボリボリ掻いちゃったら不審者丸出しだし、下手したら警備員さんにマンツーマンでマークされるわ!
    もう痛いやら痒いやらで発狂したくなるレベル。

    考えてみたら、ズボンってお尻の谷間に沿って縫い目があるじゃないですか。
    どうやらその縫い目がお尻の谷間にクリティカルヒットしているみたいなんです。
    たまにTシャツのタグがチクチクする事があるけど、あれと似たようなものだと思います。
    温かくなったので、むれているのも原因かもしれません。

    ノーパンには落とし穴があった。

    自分は何て愚かな人間なのであろうか。
    今までパンツに当たり前のようにお尻を守ってもらっていた。
    お尻の平和なんて当然のように与えられるものだと思っていた。
    いつしか、その恩恵を忘れてしまっていたのだ。

    今回、パンツを失って初めてその尊さに気が付きました。

    家でブログをご覧になられている方は引き出しからパンツを出して確認して頂きたいんですけど、あと職場で休み時間などにブログをご覧になられている方は上司のズボンを脱がせてデスクの上で四つん這いにさせて確認して頂きたいんですけど、パンツはズボンと違ってお尻の谷間の部分に縫い目がこないような構造になっているんですよね。
    これって、お尻の肌の弱い部分に縫い目が当たってしまうとチクチクしたり不快感が生じてしまうので、そうならないよう試行錯誤されてこのような形になったのだと思います。

    これにはメーカーの絶え間ない苦労が詰まっているに違いありません。

    何かパンツの第一人者みたいな、「プロジェクトX」に出てくるような研究者がいて、生地や縫製を変えて試作を何回も繰り返すんですけど、その度に田口トモロヲの声で、「肛門が・・・痛かった・・・。」という、言葉と言葉に微妙な間を挟んだナレーションが流れて失敗したりしていたと思うんです。
    そして、研究に研究を重ねた結果、現在の快適なパンツに仕上がったと思うんです。

    もうね、今回ノーパンになって初めてパンツの有難味が分かりましたよ。
    パンツが無いとチクチクしてすげぇー痛ぇーもん。

    ノーパン健康法とか言い出した奴死ね!!
    こっちはお尻が不健康だよ!!

    やっぱりね、本当に大切なものというのは失った時に初めてそれが身に滲みて分かるんです。

    普段、当たり前のように存在し、当たり前のように穿いているパンツ。
    しかし、その役割というのは非常に重要で、失われてしまえば日常生活すらもままならない。

    ありがとうパンツ。



    買い物を終えて帰宅した後、お風呂に入りました。

    今日は散々な1日だったな。
    もうノーパンなんて懲り懲りだよ。

    お風呂から上がったら昨晩濡れていたパンツはすっかり乾いていました。
    もう穿くパンツが無いなどという過ちは繰り返えさねぇーぞ。
    同じ轍は二度と踏まねぇーよ。

    しかしその後、夕飯の準備を始めたところで重要な事に気が付きましてね。

    「お米がねぇーや。」

    やっぱり、大切なものは無くなった時に初めて気付くなぁと痛感するのでした。



    ちなみに、この日は肉ジャガの隣にパンを並べてテーブルに着きました。
    そして、一口食べて思うのでした。

    和食にパンはないな、ノーパンだ。


    人は誰だって仮面を被って生きている。

    親しい友人はもしかしたらあなたを騙そうとしているかもしれない。
    信用している恋人は浮気をしているかもしれない。
    いつも挨拶を交わす隣人は極悪人かもしれない。

    仮面の裏に隠された本当の姿を知る事は出来ない。


    とまあ、何お前ストーリーテラーみたいに語り出してんだよ死ねよカスって話なんですけど、やっぱり人って誰でも仮面を被って生きていると思うんです。

    以前、職場に宮本さんという人がいましてね。
    宮本さんは中途半端な時期に入社してきたオジさんでした。

    頭髪には少し白髪が混じり、そこそこ年期の入った容姿をしています。
    そして、新しい職場なのに物怖じせず初日からドッシリと構えていました。

    自分はこれに違和感を覚えましてね。
    大抵の場合、新しい職場や環境だと少しくらいは物怖じするじゃないですか。
    しかし、宮本さんからはそれが全く感じられないんです。
    それに、オーラと言うか装いと言うか、宮本さんから出ているのはお偉いさんのそれなんですよ。

    何か腑に落ちない。

    ここで自分は宮本さんについて考えてみたんです。
    この人は一体何者なのだろうか。
    得られる情報を精査し、脳内で様々なパターンを想定します。


    遥か彼方の銀河系で・・・

    ジェダイの騎士と銀河共和国が滅亡して久しい時代。
    平和だった銀河系は帝国軍によって支配されていた。

    ジェダイの騎士の生き残りであるミヤ=モト・ケノービは帝国軍を討伐するための準備を進めていた。
    そして、強力なフォースを自在に使いこなす優秀な戦士を発見する。
    ミヤ=モト・ケノービはその戦士を仲間にするべく彼の職場へと潜入するのであった。


    とまあ、その戦士こそが管理人さんなわけで、何かいきなり神々しく輝く剣を渡されて「ダース・ベイダーを倒してくれ。」とか言われちゃったらどうしようとか思ったんですけど、ミヤ=モト・ケノービって何?
    コイツまた意味の分からない妄想が始まったよ!
    こんな妄想ばかりしてないで仕事しろよな!
    もう死ねばいいのに!暗黒面に墜ちて死ね!

    まあ管理人さんが銀河の命運を握っているなんて銀河の価値はどれだけ低いんだよって事になるので、宮本さんがジェダイの騎士というのはないと思うんですけど、真面目な話、この人には腑に落ちない点がいくつもあったので真剣に考えてみたんです。
    そして、ある結論に至りました。

    「宮本さんは本部の査察なのではないだろうか。」

    いやね、企業のお偉いさんが職場を査察するために身分を隠して潜入してくるというのを聞いた事があるんですよ。
    自分の職場にも通常の査察はあるんですけど、いつも査察の人がやってくると直ぐに仲間内で情報伝達が行われて皆普段とは別人のようにテキパキと働くから全く意味を成していないんです。
    後輩の遠藤君なんていつも死んだ魚のような目をしているのに、それこそ釣りたてのサバみたいに急にピチピチと活気よく働き出しますからね。
    なんか顔も魚みたいだし。

    なので、本来の様子を探るためにお偉いさんが仮面を被って潜入してきた疑いが非常に強いのです。
    というかもうこれ100000000%査察ですよ。
    で、サボっている人間を見つけてクビにするに決まっているんです。
    こりゃあ油断が出来ません。

    自分の職場ってわりと自由度が高いので普段は上司の監視はあまり厳しくないんです。
    定時になると牢屋の前に横一列に整列させられて、端の人から順番に「1!!」「2!!」「3!!」「4!!」と監視役の監守さんに点呼をとらされたりとかもしないんです。

    なので、トイレに行った帰りに休憩スペースの自販機でコーヒーを飲んで休むという、それこそ仕事からのプリズンブレイクをしたりも出来るんです。
    ただ、これってサボりになるわけですよ。
    自分はよく休憩スペースで鼻くそをほじったりして現実社会から逃亡しているんですけど、潜入の宮本さんが来てからは真面目に働くようになりました。
    サボっている現場を宮本さんに目撃ドキュンされたら即刻死刑ですからね。
    もう執行猶予も付きませんよ。

    しかしですね、トイレに行こうとして休憩スペースの横を通ったら肝心の宮本さんが死んだ魚のような目をして一人でイスに座っとるんです。

    おいおい、あんたがサボってどうすんだよ!

    「管理人君も少し休まないかい?」

    初日とは別人のようにやつれた顔。
    もうオーラが全く感じられない。
    空腹で死にかけている小鳥でももう少し元気だろうというレベル。
    おまけに「はぁ~、疲れた~。」を連発して、負のオーラに巻き込もうとしてくるんですよ。
    これじゃこっちまで疲れるじゃねぇーか!

    この時ピンときましてね。
    忘れてはならないのは、宮本さんは査察の人間という事なんです。
    おそらくこれは罠ですよ罠。
    演技です。

    自分はいかに仕事をサボるかに情熱を注ぐような人間で、その結果、上司の送別会で皆で色紙にメッセージを書いてプレゼントしようってなった時に自分にだけその色紙が回って来ないという残念な扱いになっていますから、それはもうプロ野球で例えたら背番号が3ケタくらいあるようなよく分からない選手みたいになっていますから、上からしたら自由契約という事実上の解雇にしたいはずなんです。
    しかし、一方的に解雇するのは法的な問題も発生してしまう。
    なので、何か正当な理由とその証拠を得たいはずなんです。

    そこで考えられたのがこの策なのだろう。
    宮本さんは管理人さんを休憩スペースに誘い込んでサボらせて、その瞬間に「はいクビ。」という4文字のファイナルジャッジを下そうと狙っているに違いありません。

    なんて汚い大人なんだ!
    そこまでしてクビにしたいのか!

    しかし、そうはいきませんよ!
    何が何でも生き残ってやる!
    このデスマッチ、受けて立とうじゃありませんか!
    絶対負けねぇーぞ!

    この日から管理人さんと宮本さんの水面下でのバトルが始まった。
    文字通りクビを賭けた戦いだ。

    翌日も宮本さんはやたらと話し掛けてくる。
    決まって「はぁ~、疲れた~。」という、こちらも疲れてサボりたくなってしまうような、暗示とも言える言葉で攻めてきます。
    エレベーターで一緒になった時なんてもうマンツーマンですから、逃げ場なしのデスマッチですよ。

    とにかく宮本さんのペースに飲まれたら負けだ。
    サボっていると判断されてクビにする理由を与えてしまう。
    一時も気が抜けないバトルが何日も続きました。


    そんなある日、この勝負に決着を付ける大事件が起こった。

    その日もいつものようにオシッコをしにトイレに行ったんですけど、入った瞬間にスゲェー強烈な臭いがしたんですよ。
    で、何気なくドアが半開きになっている個室の方に視線をやったんですけど、そしたらもうね目を疑いましたよ。

    とその前に、ここからちょっと汚い話しになるので、もしお食事をしながらご覧になられている方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。
    お食事中の方は今直ぐ大盛りでおかわりして下さい。
    この記事をおかずにしてモリモリと食べて下さい。

    で、話を戻しますとですね、半開きになった個室に目をやったんです。
    そしたらですね、その個室にはうんこがぶち撒けられていたんですよ。
    これが常軌を逸したぶち撒け方で、何をどうやったらこんなになるのか全く理解不能なんです。
    文章では伝わらないと思うんですけど、本当に悲惨な状況で地獄絵図みたいになっとるんですよ。

    これはもうね、テロですよテロ!
    もう官房長官も壇上に上がって「極めて卑劣な犯行である。」と遺憾の意を表明するレベル。
    日常は非日常へと一変した。

    あまりの惨状に尿意はすっかり治まり、自分は脱兎の如くトイレを後にしました。
    で、どうして良いのか分からなかったんですけど、とりあえずこの惨状を同僚の渡辺君に伝えましてね。
    そしたら、渡辺君ったら仲間を集めだして「よし!見に行こう!」とか言いやがるんです。
    こいつ頭おかしいんじゃねぇーか?
    まあ勿論自分も再び行きましたよ。

    いい年こいた大人が皆で仕事中にうんこ見に行っていますからね。
    この会社もう終わりだよ!

    そして、後輩の入沢君が推理をし始めるんです。

    「このトイレは大勢が使用するから犯人の特定はまず不可能だろう。しかし、経緯ならば推理が可能だ。おそらく犯人は限界に近い状態だったので、ズボンを下ろした時の一瞬の気の緩みで一気に漏らしてしまったのだろう。これは事故だ。」

    あー、これ自分も小5の時に経験があるから分かるわ。
    子供の時って学校でうんこするのって、人類の八つ目の大罪みたいな扱いをされるじゃないですか。
    6時間目の体育のサッカーで漏らしそうになったんですけど、学校で出来なかったから家に帰るまで我慢していたんです。
    で、ダッシュで家のトイレにゴールインしてズボンを下ろしたらその瞬間に出ちゃいましてね。
    モノは全然ゴールインしてなかった。
    もうPKを外した選手みたいに頭を抱えながらその場に崩れ落ちた。

    そんな泣きたくなるような出来事がフラッシュバックしたのはさておき、トイレの惨状を目の当たりにして皆PTSDになる寸前だったので、休憩スペースに退避して心を落ち着かせました。
    まあ5人もいると話に花が咲いちゃうんですよね。
    仕事も忘れてコーヒー片手に談笑ですよ。
    皆で仲良くサボタージュです。

    そしたら、なんか知らないオジさんがやって来ましてね。

    「君たち仕事はどうしたのかな?」

    本部の査察の人だったわ。

    この後、上司と査察の偉い人に呼び出されてこっ酷く怒られました。

    横一列に整列させられてスマップの謝罪放送みたいになってた。

    2017598465465469846.jpg

    唯一違う点を挙げるとすれば、この場にいる5人全員、ジャニーズとは程遠いブサイク面だという事だろうか。
    渡辺君なんてロバみたいな顔してるし。

    説教は一時間近く行われ、「青いイナズマ」ではなく上司の「怒りのイナズマ」が降り注ぐのでした。


    ちなみに、宮本さんは仮面を被った査察でも何でもなく、ただのやる気のないオジさんでした。
    何でも、以前務めていた会社をリストラされたらしい。
    なるほどね、クビになった理由が分かるような気がするわ。

    自分も宮本さんみたいにクビにされないよう気を付けよう。

    この日から仕事をサボっているのが周囲にバレないよう、真人間の仮面を被るのでした。


    恵方巻きってあるじゃないですか。

    節分の時に食べると福が訪れるというやつ。
    これって風習だから土地によって差があるんだろうけど、最近急に広まったような気がするんですよね。

    で、この恵方巻きって企業が利益を生むために広めたとかで、なんか色々と叩かれているじゃないですか。
    別にこんなもの誰が何の目的で広めようがそんな事どうでもいいじゃねぇーかって思うし、世の中には何やっても突っかかってくる面倒くさい人間がいるなとも思うんですけど、しかし自分もこの流れに便乗して一つ言っちゃおうかと思いましてね。

    恵方巻きから派生したやつで恵方ロールケーキというのがあるじゃないですか。
    流石にこれは反則だろって思うんです。
    もう自分が審判だったら「ピピーーー!!!」と笛を吹きまくってレッドカードを5枚くらい出したくなっちゃうレベル。
    問答無用でペナルティーキックですよ。
    まあ自分はサッカーのルールは全然詳しくないし、アルシンドがハゲてるってくらいの知識しかないんですけど、可能ならボールを5個くらい用意して同時にペナルティーキックしてもいい。

    何がそこまで管理人さんをレッドカードのジャッジに駆り立てるのかと言いますとですね、最近の子供は、ナウいチルドレンは節分にケーキを食べているのかという事なんですよ!
    だって自分が子供の時は恵方ロールケーキなんてオシャレなものはありませんでしたからね。
    節分に食べていたものと言えば豆ですよ豆。
    英語で言うとビーンズですよビーンズ。
    リピート、アフタ、ミー。
    ビーーーンズ!

    で、そのビーンズを「縁起が良いから食べなさい」と言われて母親から渡されるんです。
    これが乾燥した豆で超絶マズイいんです。
    縁起だか何だか知らねぇーけど、何でこんなハトのエサみたいなもん食べなきゃいけねぇーんだよクルック~!

    そして、マズイから捨てようとすると、母親が強引に口に入れてきて意地でも食べさせようとするんです。
    もう鬼ですよね。

    とまあ、管理人さんはそんな残念な節分を過ごしていたわけです。


    で、節分と言えばやはり鬼ですが、鬼というのは意外と身近な所に存在していると思うんです。
    「鬼の空念仏」「鬼に金棒」「渡る世間に鬼はなし」というように、鬼の入ったことわざも多い。
    無慈悲な人間を鬼に例えたりもする。
    それくらい鬼というのは人々に意識されているのではないでしょうか。

    自分が子供の時も恐怖の象徴のような、それこそ鬼のような奴がいた。



    あれは幼稚園の年長の時でした。
    年齢で言ったら6歳だけど、今でもあの日の出来事を鮮明に覚えています。

    自分のクラスにはたなか君という子がいましてね。
    おそらく「田中」だろうけど漢字が分からないので一応「たなか」としておきます。

    このたなか君は幼稚園児とは思えぬ程の巨漢でクラスのボス的存在なんです。
    分かり易く例えると、洋画に出てくる刑務所ってロン毛のマッチョが囚人たちを仕切っているじゃないですか。
    まあ、たなか君はマッチョじゃなくてデブなんですけど、大体こんなイメージです。
    ダンプカーのように身体が大きく、気性も荒く誰も彼には逆らえないんです。

    休み時間におもちゃで遊んでいると皆から奪い取っていく。
    少しでも抵抗しようものならば容赦なくやられてしまう。

    いやね、何が怖いかって、いくら凶暴な奴と言ってもこういうのって普通は殴ったり蹴ったりとかじゃないですか。
    もうね、たなか君はそんじょそこいらのワルとはわけが違いますよ。
    殴ったり蹴ったりもしてくるんですけど、このデブ怒ると首を絞めて本気で殺しにかかってくるんですよ!
    もう覚せい剤でもやってるんじゃないかってくらいクレイジーなんです。

    なので、他のグループの子たちはたなか君を恐れて皆服従するようになっていきました。
    勿論、自分も反抗する勇気はなかったので、遊んでいる時にたなか君がやってきたらおもちゃを献上して機嫌を損ねない様にしていました。

    そんな獄中のような幼稚園生活が続いていました。

    そして、節分の日。
    その日は行事で豆を撒く事になりましてね。
    鬼のお面を被った園長先生が出てきて豆を投げるという、まあ何のヒネリもない普通の行事でした。

    先生から豆を受け取って鬼に豆を投げつける。

    「鬼は外ーーーー!!」

    皆、鬼を退治してやろうと躍起になっていました。
    たなか君なんて鬼のヒザに蹴りを入れてましたからね。
    おいおい、園長先生もう爺さんだぞ。
    そんな事したら死んじゃうって!
    もうどっちが鬼なんだか分からねぇーよ!

    この時、自分は気が付いたんです。

    「鬼はすぐ近くにいたんだ!」

    自分の目には確かに鬼が映り込んでいた。
    恐怖の象徴である鬼だ。

    そして何より、本当の鬼は己自身の心に住みついていた。
    理不尽な暴力に屈し、脅えながら暮らし、見て見ぬフリをしてきた。
    そんな脆弱な心に鬼は巣食っているのだ。

    今こそ決起する時だ。

    とまあ、幼少期の管理人さんはたなか君と戦う事を決意したんです。
    鬼退治ですよ。

    まあしかし、真っ向勝負をしたって10000000000%勝ち目はありません。
    たなか君はダンプカーのように身体がデカイ。
    これじゃ結果は目に見えています。

    なので、本人にバレないように、あくまで隠れながらコッソリと仕返しする事に決めました。

    いや、仕方ないじゃないですか!!
    だってあのデブ本当にクレイジーなんですから!
    全盛期のスタン・ハンセンくらい凶暴凶悪なんですから!
    命がいくつあっても足りねぇーよ!!
    この恐怖は文章では絶対に伝わらない。

    そんな凶暴凶悪なたなか君にどうやって仕返しをしてやろうか。
    それは簡単だった。

    豆撒きの豆を背後からおもいっきり投げつけてやろう!
    園庭は豆を撒く子たちでお祭り騒ぎになっている。
    絶対にバレやしない。

    こうして、鬼を退治する孤独な戦いが始まった。

    早速、先生の所へ行って豆を補充する。
    そして、息を殺しながらスナイパーのようにたなか君の背後へ回った。

    「鬼は外ーーー!!」

    豆をぶつけたら他の子たちに紛れて身を隠した。
    こっそりとたなか君の方を見たらハトが豆鉄砲を食らったような顔になってた。
    いや、デブが豆鉄砲を食らったような顔になってた。

    そしてもう一度。

    「鬼は外ーーー!!」

    これが面白いくらいヒットしましてね。
    しかも全くバレていないんです。

    このまま何回もぶつけて鬼をやっつけてやる!

    「鬼は外ーーー!!」

    豆がなくなったら先生の所へ戻ってポケットがパンパンになるまで補充し、次の戦いに備えました。
    そして、再びたなか君の背後に忍び寄る。

    「鬼は外ーーー!!」

    まだまだ、これは皆の分だーーー!!

    「鬼はそ・・・・」

    まあ、10回くらいやったんで流石にたなか君も学習しましてね。
    気が付いていないフリをして誰が投げてきているのか探っていたみたいです。
    もうこちらが野球のピッチャーのように振りかぶっていた時におもいっきり目が合いましたからね。

    やべぇーーー!!!
    殺される!!!

    自分は今までデンジャラスな事ばかりしてきたので、死にかけた事だったり死を覚悟した事が人生の中で何回かあるんですけど、おそらく死が間近に迫るという感覚を味わったのはこの時が最初だったと思います。

    たなか君はデブだから管理人さんだったら走れば逃げられるんじゃないかって思うじゃないですか。
    いやいやいや、そんな考え甘いですよ。
    恵方ロールケーキくらい甘いっすよ。

    そりゃあなぜかって、たなか君、動けるデブなんですよ!
    ズッシリした体型のくせにすげぇー足が早いんです。

    さっき、たなか君はダンプカーのように身体がデカイって書いたじゃないですか。
    これは大きさだけを例えたのではなく、走れるという事も伝えたくてダンプカーに例えていたんです。

    そんなたなか君が豆をぶつけられて、エンジンがオーバーヒートしそうなくらい激おこぷんぷん丸になっとるわけですよ。
    もう穴という穴から蒸気が噴き出していましたし、イメージですけど。
    絶体絶命です。

    そして、数秒間目が合った後すげぇー勢いで突進してきて、それはもうブレーキの壊れたダンプカーの如くこちらに突っ込んできましてね。
    もう10メートルくらい吹っ飛びましたよ。
    いや、10メートルはないだろうけど、それくらいの感覚でした。

    で、泣きながら顔を上げたら、たなか君ってば鬼の形相になっていました。
    顔を真っ赤にしながら怒り狂って、本当の赤鬼になってたわ。



    とまあ、子供の頃の管理人さんは鬼と死闘を繰り広げていました。
    鬼というのは身近なところに存在しているものなんです。

    今日はロクに仕事もせずこんな懐かしい事を思い出していたらお昼になっていました。

    で、なんか小林君が恵方巻きを大量に持って来とるんですよ。
    もう恵方ビジネスでも始めるんじゃねぇーかってレベル。

    「どしたのこれ?」

    「この前近くのスーパーで売れ残りを処分してたんで買い溜めしたんすよ。残り物には福があるってやつっすね。管理人さんにも一つあげますよ。」

    まあ、節分って先週じゃねぇーかとか、保存が出来ないから処分価格だったんだろとか、残り物には福っていうかこんなもん買い溜めして食費の負担を減らそうとしている時点でお前に福は来てねぇーだろとか色々と思いましたが、そういう鬼のような酷い事は言わないでおきました。

    「そういや管理人さん、めざましテレビ見ました?恵方巻きって北北西の方角を向いて食べるじゃないですか。女子アナが生放送で北北西を「きたきたにし」って間違って言っちゃってスタジオが騒然としてたんすよ。マジでバカじゃないっすか?」

    「そんなのわざとに決まってるじゃねぇーか。キャラ作ってんだよ。一流の大学を出て一流の企業に勤めてる女子アナがそんなの間違えるわけないじゃん。以前おバカタレントとかいうのも流行ったけど、ただのバカがテレビに出て大金を稼げるわけがない。本当のバカってのはね、ブログにうんこ漏らした事とかを書くような奴を言うんだよ!もっと根の深い問題なんだよ!」

    「えっ!?管理人さんブログやってるんすか!?」

    当然ですが、ブログをやっているというのは隠しておきました。
    こんな下劣なブログやってるなんて口が裂けても言えねぇーよ!

    「というか、お前うんこ漏らした事で何で真っ先に管理人さんを想像するんだよ!!」

    「えっ?わりとそういう認識ですけど。」

    ちょっ!!待っ!!何!?
    管理人さんって周囲からそういう認識をされてんの!?
    お漏らし系キャラなの!?

    「ふざけんじゃねぇーー!!小林テメェーぶっ殺す!!」

    この後、ケンカになってお互い鬼の形相で罵り合いました。


    人は誰でも簡単に鬼になってしまうのかもしれない。
    小さな切っ掛けで心の奥底に眠る鬼が目覚めてしまうのだ。
    そして、鬼に支配された者は心の弱さが露呈してしまうのを恐れ他者を執拗に攻撃する。
    幼稚園の時のたなか君も、醜い鬼に心を支配されてしまっていたのだと思う。


    節分というのは単に厄祓いの行事ではなく、先人たちが後世の人々を己の心と向き合わせるため、戒めの意味を込めて残したものなのかもしれません。
    「鬼は外」という掛け声には、胸の奥に潜む邪心を体外に取り除くという、そういった意味もあるのではないでしょうか。

    何だ、節分なんてマズイ豆を食べさせられてばかりだったけど、なかなか捨てたもんじゃねぇーな。
    ストレスの多い現代社会にとってはとても有意義な行事じゃねぇーかと甚く感心するのでした。


    ちなみに、小林君とは直ぐに仲直りしました。

    そして、二人で「きたきたにし」の方角を向きながら仲良く消費期限の切れた恵方巻きにかぶりつくのでした。

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