東日本大震災から3年が経過しました。

    当時、自分は石巻で活動して大規模災害の被害を目の当たりにしたので防災意識が益々高まりました。

    そして、次の脅威が迫りつつあります。
    地震調査研究推進本部は、南海トラフ全域で今後30年以内にM8~9クラスの地震が発生する確率は60~70%で、関東から九州の太平洋側で甚大な被害をもたらすと発表しています。
    (2013年5月の長期評価)

    建造物については国や自治体が主導となり耐震化や強化が積極的に行われていますが、古いものについては建て替えが必要になるので、対策が円滑に進まないという問題もあります。

    首都直下型地震であった阪神淡路大震災では、死因の約8割が建物と家具の倒壊による圧死です。
    (国土交通省近畿地方整備局のデータ)
    大半は即死の状態でしたが、注目するのは即死以外の場合です。
    死因の約1割が焼死となっていますが、これは建物の倒壊により身動きできなくなり火災に巻き込まれてしまうケースです。
    瓦礫の中から発見された焼死体の大半は、その後の調査で倒壊時には生存していた事が明らかになりました。

    大規模災害では消防等の公的機関だけでは瓦礫に埋まった被災者を救助しきれないのです。

    そこで重要となるのが「共助」です。
    先の震災以降、地域防災で重要な項目となっています。
    共助とは一般の住民が救助活動を行う事で、阪神淡路大震災では瓦礫の生き埋めになって救出された人の約3割は共助によるものです。

    自分も大規模災害時に体が満足に動けるのであれば共助を行いたいと考えております。

    今回は共助とその後の復旧作業で役に立ちそうな物を紹介します。
    非常食と灯火類、衛生用品等「生きるのに必要となる物」は一ヵ月分を備えていますが、共助となるとまた違う物が必要になり、災害の種類と程度、行動、目的によって変わってきます。

    以前も紹介したヘルメットやマスク等、防具は必須となります。
    ・怪我だけはするな

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    OGK CLIFF
    LED LENSER P5

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    興研 RL3規格防塵防毒マスク 7121R-02と簡易マスク
    災害直後は予想をはるかに上回る粉塵が舞うのでマスクも必須になります。

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    山本光学 無気孔型ゴーグル YG-5601 PET-AFと保護メガネ

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    グローブ

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    プロテクター

    身を守る防具類は共助でなくても避難行動や復旧作業で必ず必要になります。
    信頼できるメーカーの物を選定して備える必要があります。
    ここまでは以前紹介した物です。



    次は小物です。

    灯火類
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    フラッシュライト LED LENSER P5
    フラッシュライト LED LENSER P6.2
    セーフティライト CAT EYE TL-LD170-R
    ランタン GENTOS EX-837NX
    反射マーカー

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    反射マーカーは意外と重要な道具の一つでホームセンターで購入可能です。
    腕やバッグに巻きつけて使用します。

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    簡易的な救急用品
    消毒やカーゼの他にホイッスルも必須です。

    ツール類
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    LEATHERMAN OHT
    スイスツール システムドライバー2
    ゼロ トレランス ZT0350ST Folder
    これらのツールは携帯性を重視している為使い勝手は良くありません。
    復旧作業では一般工具を使用します。

    その他の小物類
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    ターボライター
    ラジオ
    レシーバー
    オイルコンパス

    光学機器
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    双眼鏡 Pentax DCF MC II 8x25
    ナイトビジョン Yukon Ranger Pro

    そして、これらの道具を携行するためのバッグやポーチ類が必要となってきます。
    全てバックパックに詰め込んでも良いのですが、活動目的は共助なので邪魔になる場合があります。

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    5.11 TACTICAL RUSH 12

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    大きな物や行動食を収納するのには優れていますが、使用頻度の高い物は取り出すのに不便です。

    そこで、使用するのがMOLLE SYSTEMです。
    MOLLE SYSTEMについてはこちらもご覧下さい。
    ・災害、アウトドア何でも役立つMOLLE SYSTEM

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    ポーチは様々なサイズと形状のものがあります。
    主に5.11 タクティカルとマグフォースで揃えています。

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    MAGFORCE Tool Bag 5"x7"

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    簡易的な救急用品を収納。

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    電池は必要な量だけを↓の様なポーチに入れて携行します。

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    MAGFORSE M-1 Waistpack

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    FLYYE Medical First Aid Kit Pouch

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    MAGFORCE Mini Rollypoly、5.11 TACTICAL 6.10 Vertical Pouch

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    MAGFORCE MINI LIGHT/KNIFE POUCH LARGE

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    FLYYE Vertical Accessories Pouch

    これらのポーチを装着するMOLLE SYSTEMのベストが必要になります。
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    5.11 TACTICAL LBE Vest
    何もつけていない状態です。

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    収納重視の装着例

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    ボトルポーチを配置した装着例

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    背面の装着例



    ここで紹介した道具は必要の無い場合もあります。
    防具類は必ず必要になりますが、その他は災害の種類や程度により不要にもなりますし、全ての道具を同時に携行する必要もありません。

    例えば、昨年の大島の土砂災害でも現地で活動しましたが、その時一番必要とされていた物は重機を除くと大きなスコップでした。

    今後予想される南海トラフ地震など都市型災害の共助で重要になる道具が、おそらくこれだと思います。
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    ジャッキ、バール
    これは油圧式ではありませんが1000kgまでなら持ち上げられます。
    消防団や地域防災でも瓦礫対策で自動車用の油圧ジャッキが備えられるようになりました。


    共助となると怪我人の応急手当も必要となるので、なかなか難しいところです。
    一般人が得られる応急手当の知識と、実際に救急隊員に指導されている内容はかけ離れている事がありますので。
    間違っていなくても最適な処置ではないではない、複雑ですね。

    共助は学ぶべき事が山ほどあります。


    災害時は医療機関の機能が著しく低下するので、その状況下で怪我をするという事は満足な治療を受けられず患部が悪化したり、その後の避難行動に影響したりと致命的なダメージになりかねません。

    防災で水食糧の次に大切とも言える物は基本ですがヘルメットです。
    災害で非難する時、配給など外で行動する時、いつ何時倒壊した建物から瓦礫や物が落下してくるか分かりません。
    また転倒時に頭部を保護する為にも着用は必須です。

    自分は頭部を強打した事がないので脳震盪や出血などの経験はありませんが、小学生のころ友人が鬼ごっこをしていて壁に頭をぶつけてしまい大量出血しているのを見た事があります。
    もう死んでしまうのではないかという量の出血をしていました。
    頭部は人が思っている以上に弱い箇所であります。


    ヘルメットは種類が豊富で、一般的な物は1,000円~5,000円程度で購入が可能です。

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    OGK CLIFF

    とても軽量なので長時間被っていても全く苦になりません。

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    ヘルメットは反射テープなどを装着すると夜間でも視認性が上がり安全です。

    STREAMLIGHT製のゴムバンドを巻いています。
    このゴムバンドを巻くことで、手持ちのLEDライトやポジションマーカーが装着可能になります。

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    LED LENSER P5

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    CAT EYE TL-LD170-R


    頭部の他に守るべき個所は手です。
    人は転倒時に反射的に手をついてしまうので、手の平は怪我をする確率が高いのです。
    また、復旧作業でも必要になります。
    グローブはホームセンターなどで1,000円もあれば品質の良い物が購入可能です。

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    ヘルメットとグローブは防災の必須アイテムですが、他にも保護の点で持っていると助かる防具があります。
    肘と膝のパッドです。

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    これは一般の備えとしては重要度は高くありませんが、復旧作業や捜索活動などでは必要となります。
    砂利とか瓦礫の上に膝をつくのって結構痛いんですよね。


    僅かな擦り傷や切り傷でも致命傷になったり破傷風になる可能性があります。
    いくら防具で体を保護しても、災害時はとにかく怪我だけは避けるよう、注意して行動する事が重要です。



    何かとあれば便利なタクティカルベスト。
    災害時の行動からアウトドアなど、様々な場面で役に立ちます。

    タクティカルベストと一括りに言っても、ゴツイ物からシンプル軽量な物、軍用ではなく民用を想定している物まで多種多様に存在します。
    その中で、ポーチ類が固定されているタイプと着脱可能なタイプの2種に分類する事ができます。

    現在市販されているベストはMOLLE SYSTEM※(MOdular Lightweight Load-carrying Equipment)という規格が主流となりポーチ類が着脱可能となっています。
    ※モーリーとかモールと呼ばれています。

    元々は米軍が弾倉や装備品を収納するポーチ類を兵士個人が選択して装着出来るよう開発したもので、PALS SYSTEM パルスシステム(Pouch Attachment Ladder System)というカテゴリーに入ります。

    軍では部隊の中で兵士ごとに役割があり装備品が変わります。
    例えば、射手と特技兵では携行する装備が変わりますし、射手だけで考えても小銃、支援火器、狙撃銃など担当する火器で周辺装備も変わります。
    ポーチが固定されたベストでは、それらの装備や任務ごとに最適なサイズの物をそれぞれ用意しなければならないという兵站の欠点がありました。
    そこで着脱可能なPALS SYSTEMが考案されたという訳です。

    そして1997年に米軍で採用され、後にNATO軍や各国の軍警察機関、自衛隊でも採用(対応)された規格がMOLLE SYSTEMとなります。

    現在では市販のタクティカルベストやポーチ類は勿論、ホームセンターで販売されている一般的なポーチ類もベルトループがMOLLE SYSTEMに対応できるようになっているなど、意外に普及率が高く拡張性に困る事はありません。



    この利便性の優れているベストを防災にも使用します。

    大規模災害時、自宅の安全が確保出来て終始閉じ籠っていられるなら、それに越した事はないと思います。
    しかし、実際そうはいきません。
    自宅が倒壊するほどの損傷を受け避難を余儀なくされたり、水食糧の配給で出歩いたり、復旧作業や捜索活動をしたりなど屋外で行動しなければならない状況に多々直面するかと思います。

    その状況下でベストは必要な物をすぐに取り出せる利便性の他、バッグ以外で収納量を増大できるというメリットもありとても役立ちます。

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    5.11 VTAC LBE ベスト

    MOLLE SYSTEMの機能のみ備えたシンプル軽量のベストなので、山の探索などアウトドアでも使用しています。

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    ポーチ装着例

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    ポーチの裏側

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    ループを引っ掛けてボタンで固定する仕組みです。

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    ポーチの中は絆創膏、ガーゼ、消毒薬、ホイッスルなどを収納しています。

    生地はコーデュラ1000Dで縫製もしっかりしていて高品質です。



    さらに自分は釣りにも使用しています。

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    FLYYE Right-Angle Belt

    ベストというよりベルトです。

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    胴回り一周ポーチ類の装着が可能になっています。

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    プライヤーやフィッシュグリップは素早く取り出せる位置に装着。

    初めて行くようなポイントでは釣り道具の他に双眼鏡やマップ、それが夜ならばナイトビジョンも携行するので、その時だけポーチを増設できるMOLLE SYSTEMは便利です。



    大規模災害の備えで、ベストに「何を入れられるか?」と考えるのと、「何をどこに配置するか?」と考えるのとでは意味が変わってきます。
    携帯する道具のサイズに合わせたポーチを選択でき自由に装着位置を決められるのは、あらゆる状況に対応できるという事です。


    10月16日未明、台風26号により伊豆大島で大規模な土砂災害が発生。

    神達地区の山が崩れ、沿岸部の元町まで土砂が流れ込む。

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    正確ではありませんが、茶色で記した部分で被害が発生しています。
    また、今回被害が発生した場所以外でも小規模な土砂崩れが複数発生しています。

    報道で現地の映像が流れた16日には、大島までの移動手段を調べ装備品の準備をしていましたが、出発は翌々日となりました。

    10月18日、単身現地へ向かいます。
    大島への高速船の出ている東京竹芝客船ターミナルでは、既に消防や土木関係者などヘルメットを提げた方が大勢集結していました。

    10:40大島に到着

    岡田港から臨時バスで災害現場の元町方面へ向かいます。
    災害現場周辺の状況を確認しながら被害の酷い場所まで歩く。

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    この光景を見て思い出したのが東日本大震災の被害現場です。

    しかし、状況は全く異なります。
    流れ込んでいるのは土砂と重量のある流木で、それが建物が埋まる程の量なのです。
    重機が無ければ、まともに作業が進まない状態です。
    どの現場も人手はあるが重機が不足しているという状況でした。

    現場では大勢の自衛隊、消防、消防団の方々が重機を使い捜索活動を行っています。
    装備は整えていきましたが、今回の災害では体制が十分に整っており二次災害も予測される状況下で一個人が活動に加わるのは組織的に難しいとのことで、非常に悔しいですが土砂現場での捜索活動は断念をしました。

    沿岸部まで下ります。
    土砂は海にまで流れ込み、海岸では消防による捜索活動が行われています。
    海中では潜水士による捜索も行われています。

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    自分は沿岸部での捜索活動を行います。
    テトラポッドやブロックの間を隈なく捜索します。

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    陸地よりも生存率の低い海で、結果的に何も発見することが出来なかったのは良い事かというと複雑な心境です。
    この記事を書いている現在、21人の安否が不明となっています。



    被害に遭われた方々へ、心よりお悔やみ申し上げます。
    「近接格闘術」

    軍や警察などで使用されている格闘術の総称です。

    徒手で戦う事を基本とした格闘術で、ナイフや凶器などを持った敵を制圧することを目的とします。
    競技ではないので1対1ではなく、1対3など敵が複数いることも想定するので、急所への攻撃などで効率的なダメージを与える戦技がとられます。
    また、こちらが武器を使う場合もあります。

    近接格闘術は相手を殺傷する事を目的とした制圧術から、拘束する事を目的とした逮捕術まで多種多様に存在し、さらに屋外か屋内かでも戦技が変わってきます。
    組織の活動目的に最適な格闘術が運用されています。



    その数ある近接格闘術の中で、自分が日々習得に励んでいるのが、クラヴマガという格闘術です。
    20世紀前半にイスラエル軍によって考案され各国の軍や警察機関で運用されてきました。



    現在クラヴマガは日本でも普及していますが、民間向けに技術を落とすアレンジがされたものとなっています。
    技術を落とすというのは弱くするのが目的ではなく、個々の能力差と訓練回数が限られている民間人の場合でも正確な戦技を使用出来るようにするためです。



    サバイバルに格闘術は必要か・・・

    日常でも犯罪が多い都心部で大規模災害が発生、治安維持が困難になり生活インフラも崩壊。
    金品目的の傷害事件から始まり、時間が経過すれば物資略奪のため侵入窃盗などが予想されます。
    また、略奪目的でなくても東日本大震災では被害者がストレスから傷害事件を起こしてしまう事例もあります。

    治安が機能しない状況に陥った時、自分の身や家を守るため、格闘術を護身術として活用するのです。
    実際、近接格闘術の戦技は護身術として民間に流用されたり、派生した流派がいくつも誕生したりしています。



    以前、横山雅始さんという方の稽古を見学する機会があり、いろいろとお話を伺ったのですが格闘術にしても護身術にしても日々進化しているそうです。





    横山雅始さんは現場での格闘術を極めている方で、フランス国家憲兵隊やイタリア警察、各国の治安部隊などに指導をされた方です。

    護身術は各国の格闘術から派生したものを、さらに使用する国に合わせてアレンジしているとか。
    例えば、日本では反撃の場合は基本握り拳での打撃になりますが、海外でこの教え方をすると指導員資格を剥奪される場合があるそうです。
    拳が相手の歯に直撃して自分の指を損傷すれば、エイズ感染を引き起こす危険があるので掌底での打撃となります。
    これもお国柄という事でしょうか。



    日常でも非日常でも凶器を持った相手を前にしたら、まず逃げることが最優先ですが、逃げ切れない場合に反撃して少しでも逃げる隙を作る事が重要となります。

    崩壊した世界で生き抜くには色々と大変ですね(*´Д`)=3ハァ・・・

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