先日、仕事関係の知人に用事があって連絡しようとしたんですけど、その人の電話番号もメールアドレスも知らないという事に気が付きましてね。
    そういや連絡先交換してなかったわ。
    で、どうにか連絡する手段はないものか、頭を絞って、それはもう濡れ雑巾みたいに絞って、そういえば最近頭が臭いなあぁ、床にこぼした牛乳を拭いた後の雑巾みたいな臭いがするよとか思って、まあとにかく雑巾臭い頭を絞って考えたんです。

    そしたら閃いちゃいましてね。
    最近ってツイッターとかフェイスブックとか、SNSをやっている人が多いじゃないですか。

    なので、その人の名前で検索してみたんです。
    そしたらビンゴ!
    フェイスブックでヒットしましてね。
    で、自分はフェイスブックなんかのコミュニティーツールに関しては個人情報の観点で消極的なんですけど、その人に連絡を取りたかったので一時的に登録する事にしたんです。
    その後、無事に連絡が取れてこの件は万事解決したんですけど、ここからが今回の話でして。

    フェイスブックのホーム画面には「知り合いかも」という欄があって、そこには自分と関わりのありそうな他のユーザーがリストアップされているんです。
    これってどういう仕組みになっているのかフェイスブックは公表していませんが、連絡先を知っている相手だったり、登録した内容と共通点のあるユーザーをフェイスブック側のコンピューターが選別してリストアップしているそうです。

    自分の「知り合いかも」には職場の同僚など主に仕事関係の人物がリストアップされていたんですけど、画面をスクロールしていったら馬渡○○という懐かしい名前を発見しましてね。
    馬渡君は自分が高校生の時、いや自分の人生で一番仲の良かった友人でした。

    そして、パソコンのモニターを眺めながら、あの時の楽しかった出来事が鮮明に甦った。


    とまあ、ここから回想のシーンに入っていくんですけど、今回はわりとハートウォーミングなお話です。
    ブスとか登場しないし、管理人さんもうんこを漏らしそうになったりもしない。
    もうスタンドバイミーの回想のシーンみたいに「デゲデンツテン♪デゲデンツテン♪」ってあの曲を流してほしいくらいですよ。

    「デゲデンツテン♪デゲデンツテン♪」

    よし!雰囲気が出てきましたね!
    このまま管理人さんの回想のシーンに入っていきますよ!

    「デゲデンツテン♪デゲデンツテン♪」

    「ポ~ニョ♪ポ~ニョ♪ポニョ♪さかなの子~♪」

    って途中から違う映画になってるじゃねぇーか!
    いや、こっちもハートウォーミングだけど!
    でもジブリは関係ねぇーよ!バカかお前、死ねよカス!
    脳みそがポニョってるんじゃねぇーか!?
    早く回想しろ!



    あれは桜の花が春風に踊っていた時でした。
    遠く離れた学校、知り合いが一人もいないクラス、難解な教科書、何もかもが今までと違う環境だったので、自分はクラスに馴染めずにいました。

    そんな自分に声を掛けてくれたのが同じクラスの馬渡君でしてね。
    高校生になって初めて出来た友達でした。

    最初は音楽の話から入ったような気がします。
    当時、王道はGLAY、ニヒル気取った奴はLUNA SEA、コアな奴はSIAM SHADEと、バンドはこの3強で、そしてそれらに猛勢を掛けて人気が出てきたのがラルクでした。
    まあ、プロ野球で例えると、GLAYが巨人、LUNA SEAが中日ドラゴンズ、SIAM SHADEがオリックス、ラルクが西武ライオンズといったところでしょうかね。

    自分はLUNA SEAとGLAYを聴いていて、馬渡君はラルクでしたが、これって音楽性で近いものがあるので曲の話をすると会話が弾むんです。
    あと馬渡君はギャグセンスや趣味も自分と同じだったので、直ぐに仲良くなりました。

    自分は小学校と中学校では、クラスで仲間外れになりたくないという理由で、趣味も話も全く合わないグループに無理をして入っていましてね。
    おまけに、母親が精神面に問題がある人間だったので、友達との関係には疲弊させられてばかりでした。

    小学生の時は皆でプールに行こうとしても自分だけ母親から許可が出なくて行けなかったし、映画に行く時も許可が出なくて自分だけ置いていかれていました。
    母は、プール=溺死、映画に行く→電車=人身事故っていう具合に、いつもデッドエンドになると思い込んでしまうんですよね。
    門限を少しでも超えると連絡網でクラス中の家に電話を掛けまくるから皆に迷惑がられるし、おまけに家に帰ると号泣議員の野々村竜太郎みたいに泣きながら半狂乱になっていて恐かった。
    他にも制限が多く、母の望まない事をやると直ぐに怒られてしまい、そんな状況だったのでクラスの輪に入って円滑な人間関係を維持するのはとても難しかったです。
    とにかく仲間外れにされないように必死でした。

    しかし、高校に入って馬渡君に出逢いましてね。
    自然に付き合える友達というんですか、そんな親友が出来てとても嬉しかったのを覚えています。
    馬渡君は友達想いだし、頭がキレるし、ギャグセンスも良いし、それでいて侍みたいに一本の筋が通っている。

    そして何より、自分の知らない事を沢山知っていて、自分が今までいかに狭い社会で生きてきたのかが良く分かった。
    何だか、海の向こうにあった世界が急に地続きになったような気がして胸が躍った。

    馬渡君と仲良くなったある日、購買で一緒にお昼を食べていると、彼が突然「すげぇー事思い付いた!」と言って何かを閃いて、それはもうノーベル賞も受賞出来ちゃいそうな発明を閃いた勢いで、自動販売機の方へ走り出しましてね。
    そして、何やらゴミ箱をガサゴソと漁り始めたんです。
    おいおい!そんな所にノーベル賞は入ってねぇーよ!
    もう何か変な悪霊に憑りつかれたんじゃないかと疑いたくなるレベルだったから少し心配になったんですけど、馬渡君はゴミ箱から取り出した空缶を次々とデポジットのマシンに入れていくんですよ。
    デポジットとは、最近は見なくなりましたが、自動販売機の横に設置されていて飲み終わった空缶を入れると10円玉が出てくるあのリサイクルの機械の事です。

    缶を入れて10円玉が出てくると、間髪入れずにまた次の缶を入れていく。

    300円を簡単に手に入れた瞬間だった。

    「これってもっと集めたら大金を稼げるんじゃないか!?」

    二人の頭の中で瞬時に金額が弾き出された。

    「いける!!」

    見積もりの甘さはさすが高校一年生です、ノーベル賞もののバカですね。

    早速その日の放課後、空缶を集めるべく二人で学校の周辺をトレジャーハントしに行きました。
    学校は自宅から離れた全く知らない場所にあたったので、自分の中ではもう本当のトレジャーハントみたいな感覚でしたね。
    自販機の横に設置されているゴミ箱が金貨の詰まった宝箱にすら見えてきた。

    ゴミ箱のフタを二人で片っ端から開けていく。
    しかし、空缶なんて袋単位で直ぐに集まるかと思っていたんですけど、これが意外と集まらないんですよね。
    しかもすげぇー臭ぇーし。
    記憶が曖昧ですが、それでも初日で2000円くらい手に入れたような気がします。

    「よし、明日もまた探しに行こう!あのマシンの中の10円玉を全て絞り出してやろうぜ!」

    夕暮れの校門で約束をして帰路についた。

    まあ、お前らバイトした方がもっと効率良く稼げるだろって話なんですけど、自分は冒険するのが楽しくて仕方なかったんです。


    翌日も帰りの会が終わるのと同時にトレジャーハントへ出発しました。
    しかし、2袋分くらい集まったところで事件は起こった。

    二人でゴミ箱を漁っていたら後ろの方から怒鳴り声が聞こえてきましてね。

    「ゴラァアアアア!!!テメェあzqwxせcdrvftbgyんふmじk!!!」

    振り返ってみると、ヒゲもじゃのサンタクロースをそのまま真っ黒にしたような、もうベトナムの戦場から帰還してきたばかりのサンタみたいな、戦場のメリークリスマスみたいなじいさんが物凄い剣幕でこちらに突進してくるんですよ。
    何て言ってるのかは分からなかったけど、とにかく激怒しているというのだけは伝わってきた。
    おそらく、ゴミ箱にはホームレスたちの間で縄張みたいなものがあり、こちらがそこへ踏み込んでしまったものだから略奪者と認識されてしまったようです。

    「ヤバイ、殺される!」

    まあ二人とも逃げ足の速さはトップクラスですからね。
    もう脱兎の如くその場から逃げましたよ。

    「ハア、ハア、ハア、振り切ったか・・・?」

    「・・・ああ、もう来てない。そういえばサンタの赤白の格好ってコカ・コーラが考えて定着させたらしいぞ。」

    「マジでか!?馬渡何でそんな事知ってんの?それより、コーラと言えば缶の袋どうした?」

    二人とも逃げる事しか考えていなかったので、他で集めた空缶も全部置いてきちゃっていました。
    自分たちが苦労して集めた空缶がじいさんのクリスマスプレゼントになった。

    縄張の存在を知って少し怯みましたが、こんな事で諦めるような自分たちではなく、それからもトレジャーハントは続きました。
    そして、空缶の多いゴミ箱や効率よく集めるルートなどを研究し、一人前のレジャーハンターになりかけていた時、さらなる事件が起こった。

    休み時間に馬渡君が自分のところへやって来て、「管理人君大変だ!さっき3年の女子に呼び出されちゃってさ、放課後に管理人君を連れて購買へ来て!とか言うんだよ」と興奮気味に話してきましてね。
    なんか馬渡君の話は要領を得なかったけど、デポジットに空缶を入れている姿にどーのこーのという事でした。
    もしかしたら、これは告白というやつではなかろうか!?

    おそらく、こういう事ですよ。
    その3年女子は購買のデポジットに空缶を入れていた管理人さんに一目惚れしてしまった。
    翌日、シャイな彼女は勇気を出して管理人さんに告白しようとする。
    しかし、いきなり本人に声を掛けるのは恥ずかしい。
    なので、いつも一緒にいる馬渡君に管理人さんを連れて来るよう頼んだのです。


    「どんな人だった!!?」

    「たぶん管理人が好きなタイプだよ!本当はおっちょこちょいなんだけど、年上としての体裁を保とうと必死になっているカワイイ系のお姉さんだった。」

    「ブヒ~ィィィィ。(チクショー!的確じゃねぇーか!)」

    そして帰りの会が終わった後、馬渡君と一緒にダッシュで購買へ向かった。
    もう舞い上がっちゃって階段なんて10段飛ばしくらいで降りていましたからね。
    地に足が着いていないとはまさにこの事です。
    おまけに着地に失敗して足負傷しちゃいましたから。

    購買の前へ到着して息を整えた。
    このすぐ先には、本当はおっちょこちょいなんだけど年上としての体裁を保とうと必死になっているカワイイ系のお姉さんが待っている。
    期待に胸が膨らんだ。
    3年生なんて言ったら完全に大人の女性ですからね。
    空缶を集めるために街のゴミ箱を片っ端から漁ったりとか絶対しないんだろうな。
    いやこんなの小学生でもやらねぇーよ!
    何を話したら良いだろうか、自分は人見知りだけどちゃんと話しが続くように頑張ろう。
    さあ、ついに対面です!

    紳士的な足取りで、それはもう階段で足なんて負傷していないという素振りで購買へ入った。

    そしたらですね、なんかバーコードハゲのおじさんが一人で座っとるんですよ。
    これがとても綺麗なバーコードで、そのままスーパーのレジに持って行って「これ下さい。」「ピッ!」ってやったら「38円」とか表示されそうなくらい綺麗なバーコードハゲでしてね。

    本当はおっちょこちょいなんだけど年上としての体裁を保とうと必死になっているカワイイ系のお姉さんらしき人物はどこにもいないんですよ。
    いるのはこのバーコードのおじさんだけなんです。
    そしたら、そのおじさんが立ち上がってこちらにやって来ましてね。

    「君たちが管理人君と馬渡君かな?」

    もう状況が全く分からない。
    何コレ!?

    で、おじさんの話を聞いてみると、どうやらこの人は購買の管理もしている3年生の先生でして。
    自分たちが外から持ち込んだ空缶を大量にデポジットに入れていたものだから、注意するために呼び出したらしい。
    あれって原則、設置されている場所の缶しか入れちゃいけないんですよね。
    そもそも、一個10円なんて設定で資源回収したって利益にはならないだろうし。

    この後、わりと本格的に怒られた。
    現実は残酷なもので、本当はおっちょこちょいなんだけど年上としての体裁を保とうと必死になっているカワイイ系のお姉さんに告白されるどころか、毛根を保とうと必死になっているバーコード系のおじさんにこっ酷く怒られて終わった。

    「どういう事だよコレ!話が違ぇーじゃねーか!」

    「ごめん、ごめん、管理人と一緒に来てなんて言われたから勘違いしちゃったわ。でも、おっちょこちょいな雰囲気の3年生に言われたのは本当だよ。」

    「おっちょこちょいはお前だよ!」

    まあ、たぶん彼は少しだけ話を変えてドッキリを仕掛けてきたのだと思う。
    女子に呼び出されたなんて言うものだから、まんまと引っ掛かってしまいました。
    馬渡君はこうやっていつも友達を楽しませてくれる奴でした。


    そんな親友の彼とも、高校生活が終わったら自然と疎遠になり、いつの間にか連絡も取らなくなってしまいました。
    結局のところ、人との信頼を維持出来ないのは全て自分に原因があり、昔と何も変わっていなかったのです。

    馬渡君は今どんな生活をしているのだろうか。
    彼のフェイスブックには、あの時と変わらない姿を想像させられる充実した日常が投稿されていました。
    そして、過去の投稿を遡って読んでいくうちに、もう一度会ってみたいという気持ちが強くなっていきました。

    彼のフェイスブックは最後の投稿から1年以上経過しています。
    「便りが無いのは元気な証拠」なんていう言葉があるけど、今も元気にしていると良いな。
    フェイスブックにはメール機能のようなものもあるのでメールを送っておきました。

    まさか、フェイスブックなんかに馬渡君と再開出来る機会を与えられるなんて思いもしませんでしたね。

    思い出は缶に似ているのかもしれない。
    楽しかった出来事や悲しかった出来事も飲み干してしまえば手元に残るのは缶だけだ。
    缶だけが形を変えず、思い出となっていつまでも残り続ける。
    フェイスブックはそんな皆の散らばった空缶を拾い集めてくれるツールなのだろう。

    SNSなんて個人情報が流出するだけだから自分は消極的だったけど、やってみたら案外良いところもあるじゃねぇーか。
    フェイスブックに登録して良かったわ。


    馬渡君にメッセージを送信してから2週間。
    フェイスブックのメッセージボックスを覗いてみたらメールが一件届いていました。

    やった!!馬渡君メール読んでくれたんだ!
    気付いてくれて本当に良かった!
    便りが無いのは元気な証拠なんて言うけれど、やっぱり便りがあった方が良いに決まってるよ!
    何て返信したら良いか分からないけど、これだけはちゃんと伝えたい。

    「色々な冒険をさせてくれてありがとう。」

    そして、今度は登山や釣りだったり、こちらが馬渡君を冒険に誘ってあげるんだ。
    心を躍らせながら新着のメールを開きました。


    加瀬○○
    『管理人てめー5000円返せ まじ殺すぞ』


    あーそういえば昔の同僚からお金借りっぱなしだったわ。

    やっぱりフェイスブックなんてやるもんじゃない!
    こんなのやったってロクな事にならねぇーよ!
    バカじゃねぇーか!

    便りが無いのは返す気が無い証拠。

    受け取ったメールに返信せず、そっとブラウザを閉じるのでした。


    このブログのプロモーションビデオを作ってみました。



    ※1080pに設定すると高画質になります


    ブラボーーーーー!!!
    管理人さん超カッコイイ!!
    ボケ要素一切なし!!
    お前やれば出来るじゃねぇーか!!


    いやもうね、なかなかのクオリティーになったと思いますよ。
    動画は今までの記事で静止画を載せるために撮ったものを主に使用し、そこに今回の為に新しく撮ったものを追加して組み立てています。

    201664986498648968496.jpg
    崖を登ったり

    20164887649846548964484.jpg
    ロープで宙吊りになったり

    2016346549846846545.jpg
    波に飲み込まれたり

    201634846846468464.jpg
    バイクに乗ったり

    ここ2年くらいの映像を集めて詰め込みました。
    BGMは著作権フリーで配布されているものを使用しています。


    まあしかし、このブログって何故か動画が不評なんですよね。
    今までも何回か載せた事があるんですけど、ブログのアクセス数に対して再生回数が極端に少なかったですし。
    YouTubeのカウンターはブログで再生した場合には回らないのでしょうか。

    それとも、なんか村役場にウィンドウズ98が一台だけ置いてあって、そのパソコンを使って皆でネットやテレビ電話をやっているんですけど、そしたら仙人みたいなヒゲもじゃの村長さんが突然やって来て、「悪魔の機械じゃーー!!これは悪魔の機械じゃーー!!魂を吸い取られるぞーー!!」とか言って半狂乱になっちゃっているものだから、もうおちおち動画も見れないんですかね。
    村長さんの言う事を守ってパソコンをシャットダウンしないと村八分にされちゃうんですよ。


    それにしても映像の編集作業って大変ですね。
    まずは元の動画から使える場面を切り出していかなきゃいけないんですけど、動画は全部で47本あるのでこれだけでも骨が折れました。
    さらにそれらを音楽の尺に納まるように繋げていかないといけないし。
    繋ぐ順番も、動画の場面によっては前後の流れが不自然になったりしたので、何回も並び替えて編集し直しました。

    毎晩編集作業に熱中したせいで寝不足ですよ。
    職場でも鼻くそをほじりながら1日中ボーッとしていました。
    もう魂を吸い取られて抜け殻みたいになっていましたからね。

    「こいつ仕事を全くしていない!」

    そして、同僚たちから村八分にされてしまうのでした。

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