「この写真はどうやって撮っているんですか?」

アウトドア日記を書くとこんなコメントを頂く事があるんですけど、まあ確かに管理人お前って友達がいないから同行者に撮ってもらっているわけでもないだろうし、どうやって撮っているの?と疑問に思われる方がいらっしゃるかと思うんです。
そりゃあ自分は一緒に山に行く友達なんていませんし、それどころか職場にすら友達がいませんし、この前なんて職場で唯一メールアドレスを知っている後輩の小林君にメールを送ったらエラーメッセージが返ってきちゃいましたから、とにかくそれくらい友達がいないんですグスン。

そういえば、「一年生になったら友達100人できるかな」なんて歌があるけど100人なんてハードル高過ぎだろ!!
もうハードルが成層圏くらい高い所にあるわ!!
無理無理!!100人なんて絶対無理!!
こちとら一年生どころか一生費やしても出来ねぇーよ!!

とまあ、お前早く本題に入れよカスって話なんですけど、今回はアウトドア日記の撮影裏を未公開の写真も交えてドキュメンタリーみたいに紹介していこうと思います。



まずはよく出てくる引きのこんな写真。

satsueihiwa004.jpg
広範囲をフレームに収めようとすると、ある程度カメラを離さなければなりません。
しかし、距離を取るとカメラのタイマーでは間に合わなくなってしまいます。

なのでこんな時は、

satsueihiwa037.jpg
カメラを木に設置して動画モードで撮影します。

画的には自分が写る場所が低すぎても高過ぎても失敗になるので、カメラの画面を見てあらかじめどこまで登れば良いのか位置を定めておきます。
そして、上の方まで登って画が撮れたら、

satsueihiwa003.jpg
カメラを取りに戻る!
こうして撮った動画を家に帰ってから静止画で切り抜いて写真にします。

険しいポイントは撮影で往復すると時間と体力を大きく削られてしまいます。
撮り終わった後に映像を確認して自分がフレームからはみ出していたりすると死にたくなる。
ブログに載せている1枚の写真の裏にはこんな苦労が詰まっています。


satsueihiwa009.jpg
これはYouTubeに載せる動画を撮影した時。
崖の側面を飛び跳ねるように降下。

satsueihiwa008.jpg
下の方まで距離がある。
この撮影ではなかなか良い画が撮れなかったので3往復する事になりました。

しかし、上から撮る場合はカメラをセットしている時が一番危険になります。
両手を使うので、崖の途中でも足と重心だけで身体を保持しなければいけません。

ちなみに、YouTubeに載せた動画はアクセス数が全然伸びませんでした。
チクショー!!
命懸けで撮ってるのにこれだよ!
こんなんだったら自分も金色の衣装着て緩いダンスしながら「アッポーペン」とか意味不明な事言っときゃ良かったよ!


まあこのようにして撮っていますが、なぜここまでやるのかと言うと、写真を撮る時にテーマにしているのが「臨場感」だからです。
ただ撮るだけだとただの風景写真みたいになるし、ありきたりなものになるからつまらないんですよね。
臨場感を追及してこんな事もやったりしました。

satsueihiwa014.jpg
背中に自撮り棒を装着して妙義山の鷹戻しを登る。

satsueihiwa015.jpg
この先端にカメラを付けて撮影するとこんな画になります。
これはなかなか面白いのが撮れたと思います。

satsueihiwa042.jpg
こちらはわりと最近の写真。
二子山の稜線では手持ちで撮影。
この稜線はデンジャラス感がとても爽快でした。

やっぱり自撮り棒は面白いですね。
しかし、海外では撮影に夢中になって事故死している人が多いみたいです。

satsueihiwa041.jpg

satsueihiwa001.jpg
滑落しないように自分も気を付けよう。


ただ、臨場感のある写真ってやっぱりある程度はデンジャラスな事をしないと撮れないものなんですよね。

例えばこの写真。

satsueihiwa024.jpg

satsueihiwa025.jpg

この二枚の写真は同じ崖を上から撮ったものですが、自分の足も写して崖から身を乗り出して撮った方が高さが伝わってきます。
山で写真を撮った事がある人は分かると思いますが、勾配や崖って写真で表現するのが難しいんですよね。
撮り方を間違うと険しくも何ともないただの山になってしまうんです。
自分もカメラの角度や位置を工夫して出来るだけその場の状況が伝わるように撮っています。


あと、自分自身も被写体として写っていた方が地形やその場の状況が伝わりやすいです。

satsueihiwa006.jpg
目安になるものが一緒に写っていないと稜線の幅や周囲の岩などの大きさがイメージ出来ません。

satsueihiwa040.jpg
人が映っていた方が伝わり易いですね。
ただ風景を写すのではなく、管理人さんがよく登場するのはこういった意味もあったりします。


それと、やはり管理人さんが写っていた方がアウトドア日記としてリアリティーがあるように感じます。
風景だけの写真が並ぶと無機的になってしまいますし。

自分を撮っている時の様子。

satsueihiwa005.jpg
やはり一人での撮影は大変です。

satsueihiwa019.jpg
あとちょっと虚しくなってくる時があります。

satsueihiwa018.jpg

satsueihiwa020.jpg

satsueihiwa016.jpg
これはカヤックに取り付けた時。
角度がズレないよう入念にセット。
意外と手間が掛かります。

satsueihiwa044.jpg
デジカメはニコンのAW110を使用しています。
長く使う気はありませんでしたが、意外とタフなので過酷な使用条件でも生き残っています。
動画はSONYのアクションカメラHDR-AS200VR。
スタンドは足が自在に動くゴリラポッド。
アウトドアだとフレキに動くスタンドは必須です。

satsueihiwa021.jpg
これくらいの距離の時は動画で撮らないでカメラのタイマーで撮影しています。
しかし、タイマーに間に合わなくて失敗する事もあります。

satsueihiwa026.jpg
フレームからはみ出したり、

satsueihiwa034.jpg
動いてボヤケてしまったり、

satsueihiwa022.jpg
これなんておもいっきりお尻を向けちゃっていますね、死ねばいいのに。


まあ、これはお前の撮影技術の問題だろって話なんですけど、自然を相手にしているのでどう頑張っても良い写真が撮れない事があります。

satsueihiwa011.jpg
これは台風接近中の磯へ泳ぎに行った時。

satsueihiwa033.jpg
魚の写真を載せたかったのでエサを撒きましたが全然寄ってきませんでした。

おまけに、この時は大シケだったので本当に死にそうになりました。
磯って流れが複雑だから変な場所に入ってしまうと尋常じゃない勢いで沖に流されるんですよね。
偶然岩場があってそれにしがみ付いて難を逃れたけど、うっかり水死体になっちゃうところでした。
水死体になんかになったらシャレにならん。


で、死体と言えば青木ヶ原樹海。
樹海の探検は他の山とは全く違う面白さがありますね。
閉鎖的な空間なので変な緊張感が生まれます。
興味のある人が多いようで、このブログにやって来る検索ワードで常にナンバー1になっています。
最近はブログ全体が検索で下がってしまったので「樹海探検」とか少し具体的に入れないと上位にきませんが、以前はヤフーで「樹海」だけで検索してもこのブログが2~5番目くらいにヒットしていました。

樹海には人の痕跡が点在しています。

satsueihiwa027.jpg
国道から離れていない浅い場所ではブルーシートのテントを発見しました。

他にも樹海には様々な物が落ちています。

satsueihiwa028.jpg

satsueihiwa029.jpg
ゴミは人が入りやすい国道付近に多いです。
他のブログやサイトでは自殺者が捨てた物と紹介されていますが、ゴミの内容からして殆どが肝試しやキャンプで来た人間が捨てた物でしょうね。

しかし、不可解なものが落ちているのも事実。

satsueihiwa030.jpg
最深部付近にはヘルメットが転がっていました。
流石に頭は付いていませんでした。

あと他にはスニーカーとサンダル、Tシャツがよく落ちています。
デアゴスティーニの毎号付いてくる付録みたいに、少しずつ集めていったら全身の服が揃うんじゃないですかね。
なんか凄いアバンギャルドな格好になりそうだけど。

ちなみに、樹海は自殺の名所と言われていて死体も無数に散乱しているようなイメージが持たれていますが、これはオカルトが一人歩きした迷信です。

「百聞は一見に如かず」

自分は過去に4回行った事があり、人の入りやすい国道沿いから最深部まで隅々を探検しましたが、一度も死体や人骨らしき物を発見した事がありません。
当然、幽霊も出ないし怪現象も起きません。
携帯電話やGPSの電波も届くし方位磁石も狂いません。(磁場の強い場所では方位磁石は2度程狂うけど無視できるレベル)
風評被害になるので死のうと考えている人はわざわざ樹海に行かないで近場の迷惑にならない所で済ませましょう。

それに樹海のど真ん中で人なんかと遭遇したら色んな意味で恐怖してオシッコ漏らしちゃいますよ。
だって好き好んで樹海に入る奴なんて頭のおかしい変な人間しかいないじゃないですか。
こんな奴には絶対関わりたくないですね。
この言葉ブーメランになって全部自分に返ってきてるけど。


まあしかし、自然界には人間よりももっと恐ろしい奴が潜んでいるんです。
どんな奴よりも凶暴凶悪で突然襲い掛かってくる。
どこの山に行っても必ず奴はいる。
そして、常にこちらを狙っている。

satsueihiwa012.jpg
これは山梨の山中で発見したカモシカです。
奴に襲われるとこんな無残な姿になります。
胸からお腹にかけて広範囲をバックリいかれてました。

登山をした事がある人はもうお分かりだと思いますが、山で一番遭遇したくないのはクマです。

登山道は管理されているし人の痕跡や臭いが常にあるのでクマに遭遇する確率が低いですが、何でもない山に入る時は注意が必要です。
気付かずにクマの縄張に入り込んでしまったら敵と認識されて襲われるでしょうね。
あんなのに襲われたら1000000000000%死ぬわ!
言っておきますけど、クマを甘く見てると間違いなく殺られますよ!
例えるなら、幼稚園児が曙と相撲で戦うようなものですよ!
K-1の時の曙だったら何もしなくても勝手に倒れるから勝っちゃうかもしれないけど。

とにかくクマに遭遇したら絶体絶命と思っておいた方が良いですね。
で、夕方のニュースで「クマに襲われ男性死亡」とか実名で報道されて、このブログも晒されちゃったりするんですよ。
そしたらもう同僚の悪口とか書いていたのが全部知られちゃって、お葬式にも誰も来てくれないんですよ。
そもそも、ただでさえ小林君なんてメールを送ったらエラーメッセージが返ってくるくらいだし。


他にも山にはデンジャラスな生物がいっぱい。
クマ以外にもハチやヘビには注意が必要です。
毒をもらってダメージを受けると満足に移動が出来なくなってしまいます。
登山者の多い山でダウンしていれば誰かしら通りかかるので助かる確率は高くなりますが、人のいない山で身動きが取れなくなると二次的な被害で命を落とす恐れがあります。
なので、毒を吸い出す器具を必ず携行するようにしましょう。

satsueihiwa048.jpg
自分は消毒液やガーゼなどと一緒にポーチに入れて携行しています。
左の白いのが吸い出す器具。
色々な呼び名がありますが「ポイズンリムーバー」が一般的です。


あと、デンジャラスな生物番外編。
深夜の河川敷にもとてもデンジャラスな生物が潜んでいます。
以前、都内の河川で深夜にナマズ釣りをしていたらヤンキーが集まってきましてね。
これがもう警察密着24時とかで警察官に職務質問されて「ざけんじゃねぇー!テメェー殺すぞー!」と顔にモザイクで音声も高い声に編集させられて叫んでいるようなヤンキーたちでして。
そんな密着24時なヤンキーが「何してんのー?」とかタメ口で言いながら近付いてくるわけですよ。
これ絶対カツアゲされますよ。
もう「助けてください!」って音声を変えて叫びたくなった。
これは下手すれば半殺し、良くても半殺し。
どっちも死にかけてるじゃねぇーか!

しかしですね、ヤンキーの問いに「ナマズ釣ってんだよ!!」と答えたら、「あ・・・、はい、がんばってください・・・。」と言ってどっか行っちゃいました。
まあ、深夜の河川敷でこんな格好をした奴がヌメヌメしたナマズを持っていたら色々とヤバイ奴にしか見えないわ。

satsueihiwa031.jpg
こんな奴絶対近寄りたくない!
バカか!ナイトビジョンなんて着けて釣りすんじゃねぇーよ!
これじゃむしろこっちが密着24時で逮捕される側だろ!
日本海側だったらSATと公安が出動する騒ぎに発展するわ!

それにしてもヤンキーって光に集まってきますよね。
これじゃ虫と同じじゃねぇーか!


害獣や害虫、ヤンキーなどのデンジャラスな生物とは遭遇したくありませんが、嬉しい生物を発見する事もあります。

satsueihiwa023.jpg
蝶なんて見ているだけでファンシーな気分になりますね。

satsueihiwa035.jpg
これは二子山の記事にも載せたカナヘビ。
とてもカワイイです。

satsueihiwa036.jpg
そして、これはとある源流域で発見した40cmオーバーのイワナ。
人が入らない山奥なので警戒心が緩いみたいですね。
ここでは珍しい光景ではなく、他にもこのクラスのイワナを複数発見しました。
おそらく、色々な川を渡り歩いている釣り師からしてもこんな源流域は珍しいのではないでしょうか。
自分も40cmクラスの巨大イワナを釣った事がありましたが、この川を見てからそれが凄くも何ともなく感じるようになりました。

ちなみに、自分は登山の全てをブログに載せているわけでないのでこの時の登山は記事にしていませんが、この山では遭難しかけました。
登山道のない険しい山だったから位置と方角を見失っちゃいましてねテヘペロ。
おまけに気温一ケタで冷たい川に落水するわ、食糧は現地調達だから持って行っていないわ、わりと笑えない状況に陥りました。

まあそれでも、いつも怪我一つせず無事に帰ってくるのが管理人さん。
自分は多少デンジャラスな事をしたりもしますが、それでも怪我には細心の注意を払っています。
単独登山の場合は大きなダメージを受けると身動きが取れなくなって、冬だったら夜を越せなくて凍死、真夏だったら脱水症状と、怪我の先に待っているのは死ですからね。

当たり前の事だとも思いますが、何をやるにも怪我をしないというのはとても重要だと考えています。
これは撮影の時も同じです。
大事故に繋がらないよう入念に準備をし、そしてミスをしないよう細心の注意を払いながら撮影しています。

satsueihiwa045.jpg
これは吊り橋から懸垂下降をした時の準備の様子。
まずはロープの支点確保。
橋などの建造物は強固なので問題ありませんが、固定場所が木や岩などの場合はこの作業に一番神経を使います。

satsueihiwa046.jpg
懸垂下降はハーネスという足と腰を覆うベルトにエイト環という器具を取り付けて行います。

satsueihiwa039.jpg
このエイト環にロープを巻き付けるようにして通すと、宙吊りになっても身体を支えられるようになります。

準備が終わってもいきなり撮影は始めません。
この吊り橋は橋桁の直ぐ下にもワイヤーが張られているので、降下中に身体やザックが引っ掛からないかを確認するためテストの降下をします。

satsueihiwa013.jpg
そして、安全に降下出来ると判断したらザックを背負って本番の撮影。

satsueihiwa002.jpg
ブログのネタとしては何パターンかあった方が面白いので、この時はカメラの位置を変えていくつか撮りました。
こうしてブログに載せる写真が完成します。


とまあ、アウトドア日記の写真はこのようにして撮っています。
崖を何回も往復したり、撮り方を工夫してみたり、それとなく載せている1枚の写真には様々な苦労とアイデアが詰まっています。
そして、一見デンジャラスに見える写真も入念に準備をした上で撮影しています。
それでも海の撮影では流されそうになってしまったので反省していますけどね。

アウトドアをする人は皆それぞれの目的や楽しみ方があるのだと思います。
登山だけで考えてみても、いくつもの山を制覇するために登ったり、絶景を見るために登ったり、山道具のコレクションが趣味で登ったり、楽しみ方は人それぞれなのではないでしょうか。

自分はブログを始めてからは写真を撮る事も目的の一つになりました。
臨場感のある写真を撮るために試行錯誤するのは楽しいですね。

これからのアウトドア日記も臨場感を追及して見ている人が飽きない写真を並べていこうと思います。
乞うご期待!

仕事もこれくらい熱心に臨めたら良いのにな。
やる気の無い様子を自撮り棒で撮って載せたいくらいだよ!



今年はこれが最後の更新になります。
いつもアクセスして下さる方、記事にコメントを下さる方、ブログ拍手をして下さる方、今年もこんなブログへのご来訪ありがとうございました。
明年もよろしくお願いいたします。


kabutogori001.jpg
来年も自堕落に過ごしていく予定です。
ありがとうございました。



201665465416514.jpg
そこの路地から原付が飛び出してきたんすよ



20163546896848641.jpg
うんこ踏んだ時の阿部



眠れない!

寝なきゃいけないのに全然眠れない!
どうすんだよお前、明日休みじゃねぇーんだぞ!
焦れば焦るほど全然眠れねぇーよ!!

布団に入ってから何時間経過してんの?
何でこんなに眠れないの?
何なのこれ?
バカなのお前?

落ち着け、リラックスだリラックス。
何も考えるな。
無心で目を瞑ってれば自然と眠りにつけるはずだ。


「・・・・・・、・・・・・・、・・・・・・、」


「・・・・・・、・・・・・・、・・・・・・、」


あれ、ちょっと待てよ。
眠る時っていつもどういう風にしてたっけ?

鼻呼吸だったっけ?
それとも口呼吸だったっけ?

身体って上向きだっけ?
横向きだっけ?
腕と足はどんな形にしてたっけ?

あれ、そういえば布団ってどれくらいの位置まで掛けてたっけ?
頬の位置だっけ?
肩の位置だっけ?

目を閉じてる時って、まぶたに力は入れてたっけ?
目を閉じてもまぶたの裏側が見えるような感じがするけど、こういう時ってどうしてたっけ?

人って何のために生まれてくるんだっけ?
何のために生きてるんだっけ?
何のために働いてるんだっけ?
何か意味があるんだっけ?

宇宙ってどこまで続いてるんだっけ?
どこまで行っても終わりがないんだっけ?
無限に続いてるんだっけ?
凄いな~。


って、眠れねぇーーーよ!!!ハゲーーー!!!
何コレ!!!?
何でどうでもいい事を次々考えちゃうの!!?
もう全然眠りにつけないんですけど!!
どうしてこんなに苦戦しなきゃならねぇーーんだよ!!
眠るのってこんなに難しかったっけ!!?
こんな高度な技術を要する事を毎日やってたんだっけ!!?

待て待てウェイト!!!
落ち着け、落ち着け!!
心を落ち着かせろ!!
もう何も考えるなって!!
余計な事を考えるから頭が冴えて眠れなくなるんだよ!!

よし、リラックスだ、リラックス。
就寝する事だけに集中しろ。


「・・・・・・、・・・・・・、・・・・・・、」


「・・・・・・、・・・・・・、・・・・・・、」


・・・そういや、就寝と終身って読み方同じだよね。
あとあまり関係ないけど、終身刑の囚人って終身保険に入れるのかな?


って、知らねぇーーーよカス!!!!
そんなのどうでもいいだろーーーが!!!
寝ろって言ってんだよ!!!
お前いい加減にしろよ!!!
もう何も考えるな!!!
とにかく寝りゃいいんだよ寝りゃ!!!
今度こそ絶対寝る!!!


「・・・・・・、・・・・・・、・・・・・・、」


「・・・・・・、・・・・・・、・・・・・・、」


・・・ASKAが逮捕される直前に「ギフハブに監視されている。」とか意味不明な事を言ってたけど、ギフハブって何なんだろう?


だぁぁぁぁぁーーーーーー!!!!!
ふざけんじゃねぇぇぇぇーーーーーー!!!!!
テメェーー覚せい剤なんてやって再逮捕されてんじゃねぇーよ!!!!!
何なんだよ、ギフハブって!!!!!
気になって眠れねぇーーーじゃねぇーか!!!!!
分かったよ!!!!
ネットで調べてやるよ!!!!
これ調べたら今度こそホントに寝るからな!!!!


って!!!!!
やっぱりお前の幻覚じゃねぇーーーか!!!!!
検索したけどそれらしいもんは何もヒットしねぇーーーよ!!!!
結局答えなんてどこにも無かったよ!!!!
刑務所に入って一人で「SAY YES」でも歌ってろ!!!!
ただでさえ眠れないのにパソコンデスクの前に移動させるんじゃねぇーよバカ!!!!
ベッドから出たから余計眠れなくなっちゃったじゃねぇーか!!!!!
どうしてくれんだよ!!!!
貴重な睡眠時間を返せよバカヤロー!!!!!


あーーーーーもうこんなんじゃ埒が明かねぇーーよ!!!
ちょっとタイム!!
いったん休憩!!
テレビでも見よう!!
テレビを見ていれば自然と眠たくなるはずだ!!


「・・・・・・、・・・・・・、・・・・・・、」


「・・・・・・、・・・・・・、・・・・・・、」


って!!!!!
3時過ぎてっからクソつまんねー番組しかやってねーじゃねぇーーーか!!!!
通販とCMばかりだよ!!!!
死ねよカス!!!!!
永遠(とわ)の眠りをーーー!!!!!

テレビなんて見ないでいい加減もう寝るわマジで!!!!


「・・・・・・、・・・・・・、・・・・・・、」


「・・・・・・、・・・・・・、・・・・・・、」


・・・そういや、さっきauのCMやってたな。
最近は三太郎って人気があるみたいだな。
確かに、桃太郎と金太郎と浦島太郎が同時に出てくるのって発想が面白いよね。
あそこに野々村竜太郎と山本太郎も入ってこないかな。
記者会見で号泣したり、国会前で拡声器で騒いだり、うるせぇー太郎ばっか入ってくんの。


って!!!!!
うるせぇーのはテメェーだぁぁぁーーーー!!!!!!
早く寝ろって言ってんだろ!!!!!
どうでもいい事ばっか考えてんじゃねぇーよ殺すぞハゲ!!!!!
何なんだよこの無限地獄は!!!!
益々眠れなくなっていくじゃねぇーーーか!!!!!

頼む!!!!
一生のお願いだから眠たくなってくれ!!!!

って、お前は人生で何回一生のお願いをすりゃ気が済むんだよ!!!!
こういう時だけ都合の良い野郎だなオイ!!!!

とにかくもう寝ろって!!!!
眠る事だけに集中しろ!!!!
お前、基本的にやれば出来る奴なんだから集中すれば必ず眠れるって!!!!
ビリーブ!!自分を信じろ!!!!

そうだ!!!
羊だよ羊!!!

よく眠れない時は「羊が一匹、羊が二匹」とか数えるよね!!!
これやってみよう!!!
管理人さんナイスアイデア!!!!


「羊が一匹・・・、羊が二匹・・・、羊が三匹・・・」


よしよしよし!!
この調子、この調子!!
余計な事は全く思い浮かばない!!
このまま数え続けよう!!
これなら必ず眠れるわ!!


「羊が四匹・・・、羊が五匹・・・、羊が六匹・・・、俺は絶対東京に行くからな!!」

ひろゆきの声が羊小屋の中へ響き渡った。

「何言ってやがるんだ、ひろゆき!!お前は俺の言う事を聞いてこの羊牧場を継ぎゃぁ良いんだよ!!」

「うるせぇークソ親父!俺にだって夢があるんだ!」

「何だと!!音楽だか何だか知らねぇーがそんなもんやめちまえ!!歌なんかで食ってけるほど世の中は甘かねぇーんだよ!」

「俺は親父とは違うんだ!こんな牧場出てってやる!!」

今思えば思い切りが良過ぎたのかもしれない。
喧嘩別れのように牧場を飛び出し、相棒のエレキギターだけ抱えて一人上京した。

東京ではワンルームのボロアパートに住み、居酒屋でアルバイトをしながら音楽活動を続けた。
上京すれば全て上手く行くと思ったが現実はとても厳しかった。
俺よりも良い歌を作る奴なんて大勢いる。
それどころか、生活費を稼ぐのに精一杯で最後にギターを握ったのはもう何日も前だった。
夢を追いかければ追いかけるほど、理想は手から離れていった。

アルバイトを終えて外へ出ると深夜の繁華街には雪が舞い降りていた。
故郷の函館も雪が降っているのだろうか。
ふと、牧場で働く親父の姿が目に浮かんだ。
都会の喧騒に飲み込まれ、いつの間にか孤独と虚しさが両肩に積もっていた。

しかし、それでもチャンスは巡ってきた。
CD会社の新人発掘オーディションに参加する事になったのだ。

「絶対合格してビッグになってやる!!」

オーディションの待合室で何度も曲の練習をした。

「よし、完璧だ!この曲なら絶対合格出来るぞ!!」

そう意気込んでいた時だった。

「プルルルルルル、プルルルルルル」

実家からの電話だ。
少し煩わしくもあったが、気になったので電話に出た。
電話は母からだった。

「もしもし!!ひろゆき!!?大変よ!!!お父さんが!!お父さんが倒れたの!!!」

親父の身体はもう何年も前から病に蝕まれていたらしい。

「お父さん、あんな性格だからあんたに心配をかけないように平静を装っていたけど、もう限界なのよ!」

「そんな・・・、親父・・・、俺はどうしたらいいんだ。」

「それではオーディション番号13番の函館から来たひろゆきさん、ステージへ上がって下さい。あれ?13番のひろゆきさんはいらっしゃいませんか?」

気が付いたらオーディション会場を飛び出していた。
函館の病院へ到着したのは深夜だった。

「・・・ひろゆき、音楽は・・・上手く・・いって・・るか・・?」

「ああ、勿論だよ親父。今度メジャーデビューするんだぜ!」

涙を堪えながら嘘をついた。

「・・今度・・お前の・・きょ・・く・・を、聴・・かせ・・てく・・・・・」

「いくらでも聴かせてやるさ!だから死なないでくれ親父!」

これが親父と交わした最後の言葉だった。


~5年後~

あの後、俺は実家へ戻り羊牧場を継いだ。
今では結婚して二児の父でもある。
メジャーデビューは叶わなかったけど、それ以上の大切なものを手に入れた。
家族と羊たちに囲まれ幸せな日々を送っている。

「あなたー、お昼ご飯出来たわよー!」

「ありがとう!羊たちを小屋に入れたら行くよー!」

みんなちゃんと入ったかなーーー?
それじゃあ数えるよーーー!!!


「羊が七匹ーーー!!羊が八匹ーーー!!」


今日もひろゆきの羊を数える声が小屋の中へ響き渡る。



・・・良かったな、ひろゆき君。
もうね、一人でこんなドラマチックに羊を数えていたらちょっと涙出てきちゃいましたよ。
最後は喧嘩別れしたお父さんとも仲直り出来たし、結婚して家族も出来たし、やっぱりね、人生って夢を掴むよりも幸せを手に入れる方が大切なのかもしれませんね。
きっと牧場でいつもでも幸せに暮らしていくのだと思います。

良かった、良かった。
本当に良かった。


って!!!!

良くねぇーーーよハゲ!!!!!
長ぇーーーんだよ!!!!!
誰だよ!!!!ひろゆきってーー!!!!!
こんな奴知らねぇーーよ!!!!!

もう外明るくなっちゃってるじゃねぇーーーか!!!!!
朝になっちゃったよオイ!!!!
どうすんだよこれーー!!!!

頼むから眠らせてくれ!!


「羊が九匹、羊が十匹・・・」


やっぱり眠れない。

当ブログ内容の無断転載を固く禁止します